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事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「光る君へ」 第19回「放たれた矢」

2024-05-14 | 大河ドラマ

いきものがかり 『SAKURA』Music Video

「第18回「岐路」はこちら

この、放たれた矢がどんな意味を持つのか歴史知らすのものだからさっぱりわかんねー。

いやそれはいいのよ(よくはないんだけど)、その歴史知らずの人間にとってだって紫式部と清少納言と藤原道長はさすがに知っている。

その三人が関わり合っている。

そこになんかある?

あると思います。強引だと主張する人もいるんでしょう、でも、そんな歴史上の偶然はあるでしょうや。あってくださいよ。あるに違いない。かも。

それ以上に、位の低いまひろ(吉高由里子)が天皇に会うってのがいい展開ですよね。

わたしは思う。こんな偶然ってあるんだ。以下列挙します。

・ジョン・レノンとポール・マッカートニーが近所に住んでいた。

・岩城滉一と五輪真弓が同級生だった。

・オリックスの頓宮裕真と山本由伸は隣同士だった。

・いきものがかりの吉岡聖恵と作家の深緑野分は同級生だった。

・宮崎駿と麻生太郎は学習院で同級生。

・長嶋有と安田顕は同じ中学で長嶋有が1年先輩。

いきものがかりの吉岡聖恵が高校時代に深緑野分におごってあげたという話には爆笑しました。

かくのごとく、世の中には偶然というものがあり、それを否定したかったら、この現実をどうとらえるんだってことですよね。ミステリだったら認められませんけど。

第20回「望みの先に」につづく

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「梶山季之 最後の無頼派作家」大下英治著 さくら舎

2024-05-13 | 本と雑誌

梶山の名前を知っているのはわたしの世代が下限だろうか。45才で亡くなったのが1975年なので、わたしの年齢ですら彼の作品にふれる機会はなかった。まあ、梶山を読んでいる中高生ってのも怖い。

創刊したばかりの週刊文春にトップ屋として所属し、数々のスクープで売り上げに貢献。「黒の試走車」「赤いダイヤ」などの経済小説で名をあげ、後年はひたすらに書きまくり、月に千枚以上も書いていたとか。おかげで文壇の高額所得番付でトップに君臨した。なにしろ彼の作品はよく売れたらしい。

同時に私生活も破天荒で、朝から飲み始め、夜は必ず愛人にまかせていた銀座のバーに“出勤”。それからも延々と飲み続ける。愛人の数も明らかにされていないが、大下は二人だけは書いてもいいとされたようだ。実際にはもっともっと色々とあったようだが、奥さんの生前はさすがに出版できなかったとか。

若いころから結核に悩み続け、しかし死因はやはり肝臓。

これだけ売れた作家だったのに、文学賞とは無縁。そのことに屈託もかかえていたようだ。

現在の作家だと、ほぼ月刊である中山七里に驚いていたが、梶山はそのはるか上をゆく執筆量。しかもほとんど直しもなく編集者に手渡されている。まさしくプロ、まさしく無頼派、というより破滅型。この評伝によって、彼の再評価がすすむことも十分に考えられる。現在もなお、たくさんの作品が現役であることがその証左だろう。

そしてこの評伝を読みながら、わたしの酒量なんかまだまだ甘い、上には上がいると感服。というか安心してしまったわたしはやはりどうかしている。

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「鳩の撃退法」(2021 松竹)

2024-05-11 | 邦画

月の満ち欠け」の時も思ったのだけれど、佐藤正午の作品は映画にするのはしんどいのではないかと想像します。なにしろ、ニュアンスと含羞の人なのだから。

だけれども「永遠の1/2」「リボルバー」「身の上話」などが傑作になっており、この「鳩の撃退法」もまた、しゃれた犯罪映画っぽく仕上がっていて気持ちがいい。役者の選択が意外なことにどんぴしゃで、藤原竜也、豊川悦司、岩松了、リリー・フランキーとくれば……。

月の満ち欠けの映画篇につづく

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わたしのゴールデンウィーク後半戦 孟宗との戦い

2024-05-09 | 日記・エッセイ・コラム

前半戦はこちら

「だから伍長、竹の子は1日で10㎝も20㎝も伸びるんです。もう孟宗とは言えない状況に」

「毎年油断してるもんな。今年は豊作。もう20本以上穫りました」

……ほんとに豊作。実は今年、初めて孟宗を職場に持っていきました。これまでは全部自分で食べてたの。どんだけ孟宗汁が好きなんだ。

さすがにてんこ盛りになった孟宗を見て妻は

「お願いだから(職場に)持ってって」

今日もまた収穫。奥さん孟宗汁つくってくれるかなあ。

「あなたひょっとして、孟宗じゃなくて酒粕が好きなんじゃないの?」

そんな気もする。

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「ザリガニの鳴くところ」Where the Crawdads Sing(2022 SONY)

2024-05-08 | 洋画

原作は何度も何度も図書館に通ってようやく見つけたのに、DVDはあっさり見つかる。

あのミステリが原作なのだから、つまらないはずは絶対にない。少し、演出にゆるいところはあったけれども、湿地帯がリアルに描かれているので映画は強い。鳥の羽もちゃんと眼前にあるし。

そして、ヒロインのカイアを演じたデイジー・エドガー=ジョーンズがちょっと原作とイメージ違うけど激しく魅力的なのだ。いいもの見せていただきました。

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「ヤクザと家族 The Family」(2021 スターサンズ=KADOKAWA)

2024-05-07 | 邦画

製作総指揮を担当した河村光庸(みつのぶ)さんはまことにすごい製作者で、配給会社スターサンズをつくった人でもある。かかわった作品がとんでもないのだ。

「牛の鈴音」「息もできない」「かぞくのくに」「あゝ、荒野」「新聞記者」「i-新聞記者ドキュメント」「宮本から君へ」「茜色に焼かれる」「パンケーキを毒見する」「妖怪の孫」そして「」。

キネマ旬報ベストワンや日本アカデミー賞とりまくり。そしてそれ以上に、題材のチョイスが抜群であることに気づく。いったい誰が障がい者を何名も惨殺する映画や、ときの総理をアニメまで使って揶揄する映画、北朝鮮からやってきた兄とその追跡者なんて映画をつくろうと思うだろう。思ったとしても作品として完成させ、ヒットさせたのは河村さんだからこそだ。

監督の藤井直人はそんな河村さんを信頼し、現在のヤクザがどんな状況なのかを描いて見せた。

要するに、反社と呼ばれる彼らに、人権など存在しないのである。それがいいとか悪いとか以前に。銀行に口座も開けない、アパートも借りられない……それを後押ししたのはわたしたち“世間”だ。もう誰も身内のトラブルをやくざに解決してもらおうという人はいない。

捨て鉢な生活をしている山本(綾野剛)は、ヤクザだった男の未亡人である愛子(寺島しのぶ)が営む焼肉屋で、柴咲組の組長、柴咲博(舘ひろし)の命を救う。山本を気に入った柴咲は、組に入らないかと誘うが、山本は断る。しかし、山本が命を落とすところだったのを救ったのは、柴咲の名刺のおかげだった……

漢(おとこ)をみがくのがヤクザだと信じていた山本にとって、懲役を終えてでてきた現在のヤクザのありようは信じられないものだった。組を抜けるものは後を絶たず、残ったものたちもシラスウナギの密漁で生計を立てているのだ。

そして、ヤクザであることをやめようとしない山本に、恋人だった由香(尾野真千子)や子分だった竜太(市原隼人)、そして愛子の息子である翼(磯村勇斗)は影響を受けていく……。

藤井演出は、例によって役者たちからみごとな演技を引き出している。傑作。そしてこれらの傑作を遺して、河村さんは亡くなってしまった。享年72才。早すぎる。

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史劇を愉しむ その35章「リトル・ブッダ」Little Buddha(1993 ミラマックス)

2024-05-06 | 洋画

34章「バーフバリ」はこちら

ベルナルド・ベルトルッチが描く、ゴータマ・シッダールダの若き日々。知らないことっていっぱいあったんだなあ。もちろんこれは西洋人であるベルトルッチの側から見た釈迦の姿であり、アジア人として、(曲がりなりにも)仏教徒として、そして檀徒総代として(笑)、首をかしげたくなる部分もある。

けれど、ブッダがキリストのような求道性を捨て、中庸こそをめざすべきだとするあたりには納得。

ブッダを演じたのはキアヌ・リーヴス。彼のなかにあるアジアの血(おばあさんが中国系)が生きたキャスティング。意外なことに、インドを描いてたいそう面白い映画だった。音楽は坂本龍一

その36章「鉄の女」につづく

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光る君へ 第18回「岐路」

2024-05-05 | 大河ドラマ

第17回「うつろい」はこちら

また三匹の子豚を例えにしてもうしわけない。自分が歴史音痴なものだから、こうしないと整理できないんです。

まず長兄のブー(井浦新)が死ぬ。そして彼は後継に次兄のフー(玉置怜央)を指名し、しかし彼は関白になってからわずか7日で亡くなってしまう。

さあ次の関白は誰かという話になったときに、誰よりも意欲的だったのはブーの息子、藤原伊周(これちか)で、どうもウー(柄本佑)の出番はないように見える。なにより、道長が関白になる気がないのが大きい。

そこをひっくり返すのがウーの姉、詮子(あきこ)だ。吉田羊がおみごとな芝居を見せる。ここで道長を関白にしなければ、彼女は不遇なままで終わる可能性もあったから。

しかし今回の白眉はフーの無念でしょう。さんざん悪いことをやった。それは自分でわかっている。でも権力の頂点に達した途端に疫病にかかってしまう。因果応報。それでも、ウーの優しさがうれしかったという描写。

わたしはちょうど今日「ブーリン家の姉妹」という映画を見ていて、英王朝がいかに王妃に男の子を産んでほしかったがわかった。なんだこの執念は。

いいじゃん跡取りが女の子でも

何が言いたいかはお分かりですよね。

あのヘンリー8世のお話だったのを途中で気づく。しかしよろしいですか。昔の国王は、ナタリー・ポートマンスカーレット・ヨハンソンを「どっちがいいかなあ」とか考えていたんです。許せん。そして、彼のあとを継いだのが結果的にエリザベス一世だったのだ。

まあ、ありえない道長と紫式部の最後の出会いが、明らかに「第三の男」をいただいていたのはナイス。

第19回「放たれた矢」につづく

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「月の満ち欠け」(2022 松竹)

2024-05-05 | 邦画

あの佐藤正午の原作なのだから面白くないわけがないのだが、小説と違い、映像としてあのストーリーが眼前に現れると、倫理的にこれだいじょうぶなのかなと疑問も。

生まれ変わりの話だが、東野圭吾の「秘密」が映画化されたときもきわどいなと思ったものでした。まあ、主演が大泉洋なのでそのあたりはうまく中和されてはいるんだけど。

それにしてもいい男が出てきたなあと思ったら目黒蓮でした。知らないのはわたしだけだろう。ある事情をかかえる女性に有村架純。この人、ほんとにいいですわ。

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「MEMORYメモリー」(2022 ショウゲート)

2024-05-04 | 洋画

近ごろリーアム・ニーソンばっかり見ている気がする。でも監督は「カジノ・ロワイヤル」のマーティン・キャンベルだし、共演はガイ・ピアースとまさかのモニカ・ベルッチである。

認知症が入ってきた殺し屋という設定はあまりにもリーアム・ニーソンにはまっています。

こういう設定に昔はふざけんなよと思っていたものだけど、自分が歳をとるとねえ(笑)

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