事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「アックスマンのジャズ」 レイ・セレスティン著 ハヤカワ・ミステリ

2016-11-08 | ミステリ


前世紀初頭のニューオーリンズにおける斧を使った連続殺人。事件自体は実際にあったことのようだ。この謎に、ある秘密をかかえる刑事、その刑事に汚職を摘発された元上司、探偵として独り立ちしたい若き女性の三者が、それぞれの手法で犯人に迫っていく。

舞台設定が絶妙で、フランスの香りが色濃く残り、そして人種差別が当然のこととして存在したニューオーリンズは、同時にジャズの都でもあり、だから若き女探偵にルイ(ス)・アームストロングが協力するという泣ける展開も。

犯人の動機も哀しいが、追う側の哀しさも絶妙に描かれていて満足。白人、黒人、クレオール(酒田にこの名を冠したジャズ喫茶がむかしありました)、警察、マフィアが入り乱れる。やっぱりアメリカのミステリは周到だなあと思わされる。次回作はブルースがモチーフに使われるらしい。絶対に読まなきゃ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする