事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

港座上映会~「愛染かつら」

2010-10-20 | 港座

Aizenkatsura04  こ、こ、この性悪女がぁ!

 映画を見終わって、思いきり叫びそうになった。港座上映会での「愛染かつら」。

 なにしろ主役の高石かつ枝(田中絹代)という看護婦がとんでもないのだ。

彼女が勤務する病院は、看護婦は独身が原則。んもう今ならそんなルール、雇用機会均等法だの労基法だので粉砕されるに決まってるんだけど、かつ枝は娘がいることを隠して勤めている。

 それはかまわないにしても、自分に好意をもっているに違いない病院の跡取り息子(上原謙)に対しても、いつまでもいつまでもそのことを隠し続け(別に隠すつもりはなかったんですが、って歴然と隠してるじゃん!)、いよいよ息子と駆け落ちする夜、自分の娘がはしかにかかったので断念。ん?娘は姉に預けてあるといっても、その存在を隠してたわけだからこれから娘をどうしようと思ってたの?

 ちょっと歌がうまいからと最後は歌手デビュー。でも独唱会で、昔の同僚のために衣装を白衣にする……って用意がよすぎるぞ高石!あざとくないかかつ枝!

 隣で観ていた妻は上原謙の方に激昂していた。

「駆け落ちする決心までしてよ、女の方が来なかったからって、たった三日で実家に帰ってくるってどういうこと?」

 この根性なしがぁ、というわけ。花も嵐も踏み越えてないじゃないかと。くわえてこの息子は、お父さんが亡くなった途端に病院を閉めるなど経営の才は皆無。親が決めた婚約者(桑野通子)は「持参金あつかいは嫌」と身を引き、しかも資金援助までしてくれたという気っぷの良さなのに、なんでウジウジした高石を選ぶかなあ。

 戦前のことだから、医師と看護婦には歴然とした格差があり、結婚など絶対にありえない時代の(特に労働者階級にとっての)夢が、主要登場人物のなかでただひとり庶民であり、おまけに子持ちの未亡人である高石かつ枝に仮託された事情はわからないではない。

でも、大映ドラマもびっくりの強引な展開なのに、戦後も何度か再映画化されたほどエバーグリーンになっている不思議。メロドラマおそるべし。

まあ、わたしたち夫婦としても、見終わってから爆笑できたので後悔はしてないんですけどね。機会があったら、ぜひ一度鑑賞することをおすすめします。それなりの覚悟は必要ですが。

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