このアルバムが84年に発売されたとき、ファンの間では「佐野、どうしちゃったの?」という反応が多かった。当時アメリカに渡っていた佐野が作り上げたロックは、ちょっとびっくりするぐらいぶっ飛んでいたからだ。
1曲目の「コンプリケイション・シェイクダウン」から、ラストの「ニュー・エイジ」まで、今から思えば日本初のラップ、ファンク、ヒップホップの嵐。わたしは熱狂した。今でもこの1枚が佐野元春の最高作であることを確信しているし、それどころか80年代のベストロックアルバムだとすら思っている。何年かに一度は必ず聴きなおしているほど。
興味深いのは、「Visitors」とともに日本のロックの到達点であるサザンの「KAMAKURA」と同様に、佐野も桑田佳祐も「(このアルバムのことは)もう思い出したくない」と語っていること。アーティストとして、神経症ギリギリまで追いつめられた思いが、こんなコメントになってあらわれるのだろう。はっきり言って、佐野と桑田の以降の作品は“余生”としか思えないのだが、彼らが吐くほどの重圧から産みだした最高傑作を、だからこそわたしたちは気軽に楽しもう。ポップミュージシャンにとっては本望のはずだし、CDだから簡単に聴けるじゃない?
※発注した書店の外販から、「例の佐野元春、発売延期になっちゃいましたあ!」と電話が入る。あのオヤジはまたミックスに時間をかけているのであろうと思ったら、コピーガード防止CDはトラブルが多いし、音質も悪いので通常のCDで発売するための措置だったらしい。この問題は意外に根が深いかも。
SOMEDAYからのありきたりな元春ファンです。
>80年代のベストロックアルバム
=>ビジターズ。最高です。
音楽が尖ってます。
以降の作品が余生のクルージングとは言いすぎですけど、
まぁあんな高みは誰にも見せられないし、辿り着けないでしょうね。
90年代後期から前作まで、パっとしなかった佐野さんですが、
新作の「COYOTE」は嬉しい若返りでした。
お勧めですよっ!!
いくつかの死によって佐野の生活は近年かなりしんどいものだった
のでしょう。新作聴いてみます。
いいですな(笑)
桑田と佐野には円熟が似合わないわけで、思えば
因果な音楽ですねロックとは。