Cyborg 009 (1968) - Ghost of the Pacific (episode 16)
その1はこちら。
殿堂入りの最初は「サイボーグ009」(くどいようだけどダブルオーナインじゃないからね。ゼロゼロナインだからね)の第16話「太平洋の亡霊」。原作者は石ノ森章太郎。というかわたしの世代にとっては石森章太郎という名の方がぴったりくるんだが。
わたしは子どものころ秋田書店の「冒険王」を読んでいたので、連載されていたマンガ版には熱狂した。
さて、「太平洋の亡霊」は過激なストーリーのようだ。第二次世界大戦が終わって四十年近くたち、真珠湾にゼロ戦が襲来し、戦艦長門が復活。いったいなぜ。自衛隊の隊員に、戦死した特攻隊の友人の声が聞こえてくる。
「ところでお前は何に乗っている?」
「これは、航空自衛隊の……」
「では、お前はまだ戦争で飯を食っているんだな!」
「戦争で?ばかな!」
「それではなぜ、武装している?俺は明日の平和を信じて、命を捨てた。その死を犬死ににさせるつもりか?戦争で儲け、戦争で食う日本人が一人でもいる限り、死んだ我々に平和はない!」
そして日本国憲法第九条が……
オンエアは1968年。政治の季節まっただなかだし、ベトナム戦争のために厭戦的な時代だとはいってもすごい。
脚本は、今年の「このミステリーがすごい!」や「週刊文春」などのミステリベストテンでトップを総取りした辻真先さん。九条をそのまま画面に出すのはさすがに無理かもと思ったら実現。アニメで政治的表現が許されていた時代(抗議はきたそうだが)。
その3「マインド・ゲーム」につづく。
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