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桑野の生活は結婚して三十年近くなるわたしにとって、一種の桃源郷だ。自分の好きな時間に自分の好きなものを食べ(食べない選択肢もありなのだ)、自分の好きな音楽を好きなだけ金をかけたステレオで再生し……各回のタイトルが、独身男の理想を言い当てているのでいくつか紹介すると
「一人が好きで悪いか!!」
「好きなものを食って悪いか!!」
「好きにお金を使って悪いか!!」
「休日を一人で過ごして悪いか!!」
「家に人を入れないで悪いか!!」
「親戚づきあいが嫌いで悪いか!!」
……まったくだよなあ(遠い目)。ほんとに、なんで結婚などというめんどくさいシステムにのらないと批判されなければならないのだ。
とか言いながら、夫婦とは実は相互補完という意味で便利でもある。桑野の生活は確かにうらやましい。でもね、それは“健康であるかぎり”という留保がつく(すみません、いま盛大に『結婚は介護保険じゃない!』という突っこみが聞こえたんですけど許して)。
桑野は急な腹痛に襲われ、隣人ちなみがいたおかげで病院に搬送してもらえる。義弟が経営するその病院の当直はやはり独身の内科医、早坂夏美(夏川結衣)だった。
おー、ようやくヒロインを登場させることができた。確かに初回からの視聴率が高かったのは、あの阿部寛が「結婚できない男」を演ずるというファクターが大きかったろう。でもこのドラマが歴史に残っているのは、明らかに夏川結衣のおかげだと思う。とにかく、桑野と夏美のかけあいは絶妙だったから。
往年のスペンサー・トレイシーとキャサリン・ヘップバーンの再来だ!……すみません例えが古くて。以下次号。
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