事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

日本の警察 その72 「ストロベリーナイト」

2014-12-11 | 日本の警察

その71「うちのホンカン」はこちら
原作を読んだその日に、映像化された作品を見るなんて経験はなかなかできない。誉田哲也の小説は初めて読みました。こんな言い方は単純すぎるけれど、絵柄が派手なので、確かに映像向きなのかもしれない。ただ、珍しくわたし、犯人と、このミステリ自体に仕掛けられたトリックに途中で気づいてしまいました。そのトリックを成立させるために使われた設定(血液関係ね)はちょっと苦しいかも。

キャラについても少し不満があって、あくまで第一作だからなのか主人公の姫川警部補になかなか感情移入できない。警察官としての自負によってかろうじてトラウマを克服しているという設定だから、ファナティックなところがあるのは仕方がないにしても、27才で警視庁捜査一課にいる凄みは感じられない。むしろ、公安あがりの悪徳刑事、ガンテツこと勝俣警部補のいやらしさの方がはるかに魅力的で……

ストーリーは、でもかなり考えてある。ブルーシートにくるまれた死体が池から上がり、なぜか腹部が切り裂かれていた。それはなぜか。あるいは、犯人とシンクロすることでひらめきを得て捜査する天才肌姫川を、罵倒しながら案ずるガンテツの対立は、事件を解決するのにぴったりなコンビだとか。しかもラストはおみごとでした。

さてドラマ。原作者は松嶋菜々子をイメージしていたらしいけれど、彼女では「お嬢ちゃん」と揶揄されるお転婆キャラにはならないので、竹内結子で正解かも。予備知識まったくなく見たので、ガンテツが武田鉄矢だったのは意外。まあ、当代一のお説教役者ではあるか。

原作よりもはるかに部下の菊田が大きくフューチャーされていて、そうか西島秀俊がお茶の間でブレイクする下地は、このあたりからできていたんだなと納得。まあ、殺人ショーを主宰する闇組織と、そこから逸脱する殺人者というネタを愉しんでいるとすれば、そのお茶の間の咀嚼力はたいしたものだけど。

その73「憂いなき街」につづく

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