「アベンジャーズが、終わる」
とMARVELとディズニーがぶちあげている。いやそうは言ってもこれだけ稼ぐシリーズをそう簡単には終わらせないだろうと思う。初日がちょうど振替休日。でも他にもいっぱい見たいのがあるんで……おいおい、この作品って3時間以上もあるのか。こりゃあ朝8時50分開始の回に行くしかないな。
同じことを息子も考えていて、親子で遠く離れて(わたしは前、息子夫婦は後ろ)同じ回で観ることに。
「誰かにネタバレされるの嫌じゃないか」
なるほど、エンドゲーム(終了遊戯ですか)を名乗る以上、これまでにない展開が待っているはずだ。そう考えた人は多かったみたいで、意外に高齢層も駆けつけている。わたしもですけど。初日の一回目というのは空気感が違いますね。
MARVELのキャラクターを、同一の世界観でまとめたマーベル・シネマティック・ユニバースにおいて、アベンジャーズはやはり特別な位置を占めている。キーワード(というほどでもないが)は、
「勢揃い」
だろう。単独で主演している作品がある多くのキャラがいっせいに登場する。となれば敵はとんでもなく強くなければならないわけで、サノスは確かにとんでもなかった。前作「インフィニティ・ウォー」で目的を達成した彼が何をやっていたか(隠居して農業やってるんですよっ!)も含めてとんでもなかった。
世界の半数を消滅させることに彼がどれだけ執着していたか、確信犯だったかがよくわかるエピソード。でもヒーローたちも半数が死んでいる。まもなくスパイダーマンの新作が封切られるのに大丈夫?
大丈夫なように最初から設定されていたわけだ。後半の勢揃い感はハンパないっす。で、すべてのキャラに見せ場をつくり、黒人の出番は増え、女性だけのチームで敵をなぎ倒す……この十年で映画もまた進歩した。脚本の冴えと、豪華キャスト(トニー・スターク邸に集合した面々のギャラだけでいくらかかったんだろう)に嘆息。
こってりの3時間。たっぷりの3時間。復讐者、逆襲者というタイトルはこの作品のためにあったわけだ。つづいて別の映画をすぐ観ようと思ったけどさすがに無理。トイレで息子といっしょになって「面白かったねぇ」「うん」こういう会話が全世界で今かわされているんでしょう。
55才以上だからこれで1100円。ありがたいありがたい。まさかこんなにはっきりした形でアベンジャーズが終了するとは。次回予告篇的なシーンがあるとエンドロール後に観客が期待した途端に弔鐘が鳴ります。おみごと。