スパイダーマンの再リブート。まあ、商売上のいろんな理由があったことは理解できます。アベンジャーズに組み入れられたことで、結果的に大ヒットしたのだからSONYも満足でしょう。スピンオフを大量につくるらしいのはさすがにやり過ぎですが。
今回はトム・ホランド主演でアイアンマンがサポート。父親に愛されなかったとまだ誤解しているトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)が、父親らしい愛情をピーター・パーカーにそそぐ。
これまでの実写版5作品を全部劇場で見ている、マーベルとSONYのいい客だから言わせてもらうと、今回のピーターがいちばんバカです。理系の進学校に通う、賢い子であったとしても、お前それやっちゃダメだろ、ということをいくつも。
うわぁこういう展開はしんどいな……と思っていたら、後半いきなり面白くなる。これほどストレートな成長物語は久しぶり。6作目にして初めて、スパイダーマンのスーツを着ていないときの方が気持ちのいいドラマになっている。
これはトム・ホランドのキャラによるところが大きい。未熟な高校生パーカーは、スタークとメイ叔母さん(マリサ・トメイ→ダウニーの元交際相手です)、スーツ内蔵のAI、カレン(声はなんとジェニファー・コネリー!吹替版だったのがくやしい)、そして敵であるバードマン、じゃなかったバルチャー(マイケル・キートン)にまで徹底的に指導され、ヒーローとして自立していく。教養小説の王道です。
序盤は確かに「赤いマスクをかぶったチンケな野郎」だったけれども、後半は違う。次作も絶対に見ようと決心しました。
“彼女”が実は最初から登場していたとか、政府のお偉方として出てきたのが「ダーティハリー3」のタイン・デイリーだったとか、泣かせるネタもたっぷり。
街の隣人として、地に足をつけて正義を行っていくという宣言(正解だぞピーター)に、
「ブルース・スプリングスティーンの歌みたいだ」
そうほざくアイアンマンよ、実は今回もあんたが事件の発端だったんだぞ!(笑)
ホームカミングというタイトルに二重三重の意味をこめて、なかなかの作品。ぜひ。
「ファー・フロム・ホーム」につづく。
成長過程の高校生として見ても、同感です。
少年・青年向けの映画にしか評価できない気分でしたから、次は控えようかと考えています。
コンセプトを少しはやってもらわないと。
だっていきなりあのアベンジャーズ組に
入るのって無理だし、そもそもあの人たち
変だし(笑)