事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「燃えよ剣」(2021 東宝=アスミックエース)

2021-10-23 | 邦画

新選組の話であり、司馬遼太郎原作であり、原田眞人監督作品であり、岡田准一主演作だ。見ないという選択肢はわたしにはない。

栗塚旭主演の66年版の「燃えよ剣」も見ているし、三谷幸喜の「新選組!」の記憶もまだ新しい。原作も大昔に読んでいます。そして原田眞人はわたしの大好きな「盗写1/250秒」「駆込み女と駆出し男」「日本のいちばん長い日」の監督なのだ。加えて絶好調の岡田准一が土方歳三を演ずるとくればねえ。

司馬遼太郎ファンである原田が、やはり岡田准一と組んだ「関ヶ原」は、しかし石田三成という人物像が息苦しいあたりがすこししんどかった。

では土方歳三はどうだろう。意地悪な見方をすれば、テロ集団だった新選組を鉄の結束で縛り上げた鬼の副長。嫌な予感もします。

だいじょうぶでした。この映画で原田と岡田が描いたのは、ただひたすら自分を強くすることに熱中するガキ大将のような存在。粛清のシーンがほとんどなかったのも助かった。

近藤勇(鈴木亮平)や沖田総司(山田涼介)が使う天然理心流が、竹刀ではからきしだが実戦ではやたらに強いことも強調されている。だから膝より下を攻めて強い強い。それを岡田准一がみごとな体技をくり出して描かれるので壮快。

新選組ファンにもうれしいシーンはきちんと用意してあって、芹沢鴨(伊藤英明が危ない感じでいい)の暗殺、池田屋事件(宮部鼎蔵役は「青天を衝け」で前島密を演じた三浦誠己)、そして沖田総司が死ぬ場所には黒猫がいます。

原田作品らしく役者たちがみんないい。「検察側の罪人」の酒向芳がまともな人物を演じているのにびっくりだし、渋川清彦、山路和弘、マギーたちが味のある演技を見せてくれる。

テンポのいい編集と十分に気を払ったことがうかがえる美術。堪能しました。ただもうちょっと柴咲コウに色気があると(笑)


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