その1はこちら。
ストーリーは典型的なバックステージもの。ヒット曲がどのようにしてつくられるのかだけでも観ていて楽しい。
「ボヘミアン・ラプソディ」のロジャー・テイラーの高音域の重ね録りとか、フレディ・マーキュリーが遅刻したおかげで「We Will Rock You」ができあがったとか、「絶対にディスコなんかやりたくない」とブライアン・メイが主張しているのに、ジョン・ディーコンが「地獄へ道連れ」の、あのベースラインを弾き始めた途端に「歌詞はどうする?」とみんなノリノリになるとか。
EMIのプロデューサー(かつて「ボヘミアン・ラプソディ」を「ウェインズ・ワールド」で使用してふたたびヒットさせたマイク・マイヤーズが演じている楽屋オチ)が
「6分もあるような曲をラジオ局が流すはずがない」
と主張すると、音楽には素人の会計士(トム・ホランダー)が
「マッカーサーズ・パークは7分もあるのにヒットした」
と返すのもおかしい。ちなみに、この会計士がのちにクイーンの復活に貢献することになるのだから世の中はわからない。
ライブの再現もすごい。ラストのライブ・エイドはもちろん、有名な南米でのコンサートもきっちり。編集もいいので客席で興奮。
クイーンのメンバーを演じた4人は、よくもまあこれだけ“感じが似ている”俳優を集めたとあきれるくらい。女好きなロジャー・テイラーやいかにも好人物なジョン・ディーコンなど、いかにもいかにも。
音楽の使い方もおみごとだった。エンドタイトルで流れるのが「ドント・ストップ・ミー・ナウ」から「ショウ・マスト・ゴー・オン」のメドレーであるあたり、泣かせる。
にしても、もはや現役とはお世辞にも言えないバンドの映画が世界中で大ヒットとは。クイーンおそるべし。
マジですマジ。
いろいろ知ってるんですね。