事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

古畑任三郎を全部観る Vol.38「すべて閣下の仕業」

2009-03-12 | テレビ番組

Pcbc506461 第37話「最後の事件」はこちら

1999年のサードシーズン放映終了後、しかし古畑の復活までには5年を要した。この空白は、現在にいたるまで最も長い。復活のリクエストが殺到し、オンエアも高視聴率に支えられたのにこれだけのブランクになってしまったのは(さまざまな理由は挙げられているにしろ)、要するに田村正和がしんどいからだろう。

考えてもみてほしい。古畑任三郎を演ずるということは、正味45分間、ほぼしゃべりっぱなしなのだ。途中から西園寺(石井正則)という“事件を整理し、視聴者に解説してみせる”キャラを導入し、田村の負担を軽減したとしても、並のドラマよりもはるかにしんどいことに変わりはない。

そして松本幸四郎を迎えた04年お正月スペシャル。その西園寺も今泉もいない設定で勝負に出たこの回のストーリーは……

政情不安な中南米の某国。“閣下”と尊称される日本大使(松本)は、特権を利用して私腹を肥やしていた。加担していた大使館員(及川光博)は、良心の呵責に耐えかねてマスコミに告発しようとする。同じころ、その国へ観光で訪れていた黒服の男が、猿にパスポートを奪われたと大使館でごね続けていた。その男(田村正和)は、行方不明となった大使館員の捜索にまきこまれる……

王様のレストラン」で、伝説のギャルソンを絶妙に演じた松本幸四郎が、こちらでは大使の傲岸不遜さと、背後にあるコンプレックスを同時に見せてやはりすばらしい。外交官としてエリートではなく、現地採用で雑用係からスタートした彼は、有力者の娘である妻(三田和代)との結婚によって出世したのだということを理解している。だからこそ彼は尊大であることを自らに任じ、公邸を過剰に豪華にすることで国威を示そうとしたのだ。このあたりの深みがいいですわね。

実際、日本の大使といえば、現地の有力者、政治家との“関係を築く”ためにパーティ三昧なのだし、そこでは“小さな天皇”を演じているのだとか。本来は情報収集につとめなければならないはずなのに、外務省はアメリカに追随することしか考えていないので、結局は新聞を読むことぐらいしかやることがないらしいのだ。そこで思い出すのが……めずらしく次号につづく

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