ベルリンよりもはるかに寒い国、フィンランドでひとりのスパイが死ぬ。彼はドイツの新型ミサイルと思われる写真を受け取るはずだった……
「寒い国から帰ったスパイ」で、スパイという商売の非情さを披歴したル・カレ。今作ではそれに加えて戦争の時代をなつかしむ世代への嫌悪も描いている。ジェームス・ディーンそっくりなクリストファー・ジョーンズが潜入先で感じる絶望。彼を送りこんだ英国情報部の意図したものとは……相棒は若きアンソニー・ホプキンス。ラストの大演説はさすが演技派。
ル・カレ特集は「ロシア・ハウス」に続きます。
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