事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

消えたあの人たち②~時任三郎

2007-07-01 | 芸能ネタ

Tokito_saburo ロザンナ・アークェットにとって、順調にキャリアをつんでいたデブラ・ウィンガーがいつの間にかスクリーンから消え、しかもそのことをまったく後悔していないことはショックであり、共感もしたようだ。

この“いつの間にか消えている”パターンでわたしが感じたのは……

「あれ?ちかごろ時任三郎を見てないな」
だった。

「ふぞろいの林檎たち」(山田太一)「ライスカレー」(倉本聡)でいい味を出し、映画でも「俺っちのウェディング」「海燕ジョーの奇跡」とコンスタントに活躍していたのに。わたし、好きな役者なのだ。

 人気が爆発して燃えつきたわけでもなく、実力もあり、いかにも好漢だから現場で嫌われているわけでもなさそうだ。圧倒的な長身という売り物もあり、歌もうまい。リゲインのCMで見せたようにユーモアのセンスもある……作り手にとっていかにも使い勝手がよさそうな役者なのに、いったいどうして彼は消えてしまったのだろう。

 原因は、やはり家庭の問題だったようだ。

 3児の父親である彼は、子どもを“のびのびと育てるため”にニュージーランドに移住までしてしまったのだ。消えるもなにも、物理的に四年間日本にいなかったのだ。知らなかったー。オレだけかな。しかも彼の“休養”はこれが初めてではない。オンとオフの違いがくっきりとしている……とでもいうか。

 帰国していきなり「Dr.コトー診療所」や「海猿」で復活を果たし、お茶の間に迎えられたことからも、時任がいかに愛されていたかがわかる。ある意味、めでたいし、いい話だ。

 でも。

 意地悪く考えれば、彼の役柄は出国前と現在では変容してしまったのも確かなのだ。まがりなりにも常に主演格だった時任は、いまではすっかり“いい兄貴分”あるいは“頑固な父親”としてバイプレーヤーに徹している。

 時任本人は後悔していないだろう。そのような『芸能界におけるある程度の格の低下』を覚悟のうえでニュージーランドへ移住したのだろうし。

 ここからは感じ方の問題だ。

・そのような思い切った行動までとって子どもたちのことを考えるなんて。いいぞマイホームパパ!

あるいは

・時任自身に(年齢とか以外には)なんの違いもないのに役柄が変化して不満はないの?芸能人としての意地はないのか時任!

……おそらく彼には微塵も後悔はないのだと思う。なにしろ好漢だし。でも、そこが彼の限界なのではないか、とさみしくも思ったりする。業(ごう)のない役者であることに。

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