「ターザンの復讐」特集はこちら。
「カルメン故郷に帰る」 (昭和26年 松竹)1時間26分
監督、脚本:木下恵介 出演:高峰秀子 小林トシ子 佐田啓二
日本初の総天然色映画。木下恵介は「二十四の瞳」「喜びも悲しみも幾年月」などで叙情派の印象が強いのですが、このように新たな技術を取り入れるのに貪欲な人でもありました。しかもそのことごとくをヒットさせるため(唯一の例外が「笛吹川」)、松竹の信頼が厚く、だからこそまた新たなチャレンジを行うことができたのです。そうでもなければ日本初のカラー映画に、ストリッパーの物語をもってくるなどありえなかったでしょう。
にしても、「二十四の瞳」の大石先生とカルメン……高峰秀子の芸域の広さには驚かされます。
※上映は10月24日(土)13:00から。
※松竹にとって木下恵介はほんとうにありがたい作家だったはずだ。観客も評論家も支持し、評価も興行成績も高かった。でも、その反動がいま来ているような気がする。時代のど真ん中で評価された作家が、後世にどんな意味づけをされるかはよくわからないのが正直なところか。
「天皇」と呼ばれ、スタッフやキャストの上に君臨した黒沢と「ロケで苦労するのなんて大嫌い」と言い放った木下。もう百年経ったとき、はたして彼らの評価はどうなっているだろう。
次回は「三つ数えろ」
港座オフィシャルブログはこちら↓
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます