佐々木譲の原作が面白かったし、WOWOWでドラマ化されたこちらもレンタル。
その主な要因は“沈黙するヒロインを演ずるのが永作博美”であることだ。「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」でキネマ旬報ベストテン助演女優賞、「八日目の蝉」で主演女優賞をとった人なのだから、演技力は保証付き。でも彼女の最大の特色は
「年を取らない」
ことだ。チョコラBBのCMに延々と登場しているのは、エーザイがその点に満足しているからだろう。もちろんベビーフェイスであることが有利にはたらいているのだろうけれども、それにしたっていつまでも彼女は若い。
その若さが、このドラマで効いている。彼女のまわりで次々に老人が亡くなっていく。家事代行業で生計を立てている(そのわりに広い部屋に住んでいる)彼女は、まだ枯れていない老人たちをたぶらかし、金をまきあげていたのではないか。そしてある老人の死に直接コミットしていたのではないか……
その一方で、年下の青年(市原隼人)は彼女を熱愛し、殺人などする人ではないと信じつづける。はたして彼女の本質はどこにあるのか。永作博美の年齢不詳さが謎を深めていく。
脚本は「結婚できない男」の尾崎将也。原作を読んだ人でも楽しめるつくりになっています。
弁護士を演じた田中哲司が渋い。いまどきこれだけ盛大にタバコを吸い続ける役もめずらしい。
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