事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「007/白紙委任状」 ジェフリー・ディーヴァー著 文藝春秋刊

2012-10-24 | ミステリ

4163809406_2 「お父さん、ディーヴァーの新作が007なんだけど、これは“買い”かな」

「すぐ買え!で、オレにまわせ」

東京に住む息子との会話はこんなことでしか。息子にたかるなよ

ディーヴァーが007を書く経緯がよくわからない……と思ったら池田真紀子さんのあとがきで解説してありました。イアン・フレミングの財団がディーヴァーに依頼したのだと。フレミング亡きあと、たくさんの“新作”が書かれてきたけれど、ここで大御所に賭けたというところか。

オリジナルのキャラであるMやマネーペニーたちを、ディーヴァーらしいタッチで描いてあるのがうれしいし笑える。ただ、わたしは現在の、ダニエル・クレイグが演じるボンドが大好きなので、はっきりと彼の風貌を思い浮かべながら読んでいました。

悪役は産廃業者。彼の性的嗜好が特異だし、アシスタントとなる人物と彼が……おっとっと。ディーヴァーのことだから読者をひっかける手口はいつもどおり。例によってこの人物が真犯人ですよと思わせて……。

リンカーン・ライムのように肢体不自由ではなく、キャサリン・ダンスのように女性で家族持ちではないボンドのことなので、その危機はかなり暴力的。とにかく常に危機一髪。あ、007だから危機一発か。スーパーヒーローはたいへんですね。

描写も例によってやけに細かい。なにしろ、さほど重要ではない登場人物(あ、ちょっとネタバレ)の

「父親は、いまから何十年も前、カニングタウンの伝説的なパブに出演したポリスやジェフ・ベック、デペッシュ・モードを見たと言っていた」

なかなかこうは書けないよなあ。書く必要性も実はないんですけどね(笑)。これだからディーヴァーはやめられない。

007 白紙委任状 007 白紙委任状
価格:¥ 2,499(税込)
発売日:2011-10-13
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1 コメント

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カッコいい!興味をそそりますね(^m^) (バーバリー 財布 レディース)
2012-11-17 13:13:41
カッコいい!興味をそそりますね(^m^)
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