事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

標準世帯の行方 第二話

2008-01-10 | 情宣「さかた」裏版

Syoushi クミアイ情宣シリーズ。扶養手当関係PARTⅡ。
発行日は2002年11月1日。

……扶養手当への逆風に、だが反論もある。

・朝日の記事にもあるように、この動きは、年俸制や成績率の導入を図る雇用側の意向に見事に合致するものだし、現在の経済状況を考えれば、手当の見直しと引き換えに給与の増額を獲得することは至難の業であること。

・「同じ仕事をしているのに」という不満に応えようとすれば、給与は次第に成功報酬化するわけだが(目的達成をしゃにむに推進するようになる)、“先進国”アメリカでは、そのことで逆に職場のモラルの低下を生んでいること。そりゃそうだろう。達成率等の判断は上司がするわけだし、さぞや息苦しい職場になるはず。成功者はほんの一握りに設定されるだろうし。

・構造不況の底にあるものが、実は少子高齢化だと私はふんでいるが、手当の削減、廃止は、その少子化に拍車をかけるであろうこと。

……もちろん、少子化の原因が経済的要件だけではないことは重々承知している。女性がキャリアアップに生きがいを見出しつつあるとか、産業構造の変化によって、女性に限らず労働者のほとんどが家庭外で働かなくてはならなくなったこととか→だから少子化の歯止めのためには、安心して子どもを預けられる託児所の増設と、育児休業の充実が急務だったはずなのに。雇用確保とかワークシェアリングとかを言うなら、この方面に金と人をブチ込んだらどうなのだ小泉……ってこれはまた別の話。

 ただ、今回のこの動きは、労働組合の方からも見直しの気運が高まっていることが特徴と言えるだろうか。実はこの流れは前々から語られてきたことではあった。何年か前の人事院勧告によって、支給項目の③扶養親族でない配偶者を有する場合の~に五百円加算された(当時の差は千円)のだって、不公平感を是正しようということだったはず。

それに、組合の役員をした人ならわかると思うんだが、労働組合は残念ながらまだまだ男社会で、そこが扶養手当を旧態なものと事実上認めるとしたら、これは相当なことである。まして教職員組合ほど共働き率の高い組合は少なかろうから(女性が多いことと、教職員同士の結婚がすんごく多いから)、今年はわたしもふくめた県教組内の扶養親族抱え組にとって、ちょっとつらい年になるのかも……と思ったらやはり今回の人事委員会勧告で扶養手当の見直しにふれられている。その内容は

  配偶者 16,000円→14,000円
  配偶者以外の子等の扶養親族のうち3人目から 3,000円→5,000円

でも、わたしはこれは仕方のない流れではないかと思っている。扶養を外れるのが怖いから、という理由で勤務時間を調整したり、職員の扶養親族である配偶者の月々の給与を事務職員がチェックしたりする現状はやはりちょっとおかしい。離婚の可能性や将来の年金を考えれば、少なくとも配偶者を“扶養する”という考え方は、どうしても旧弊な男性社会のもの、と思えてくる。

そして、この流れを加速させるように昨年('01年)12月14日、「第3号被保険者」制度の見直しが提起されたのである。こいつが、すごい内容なのだ。

PARTⅢにつづく。

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