ディズニーの映画だ。当然、シンデレラ城の上をティンカー・ベルが舞い、列車が疾走する。
ピクサーの映画でもある。例のデスクランプがぴょんぴょん跳ねる。
でも、シンデレラ城はチープなアニメになっているし、デスクランプの映像は暗い。音楽はクールなジャズ系。もう、この時点でもってかれました。
要するに監督のブラッド・バードは、この14年ぶりの続篇で、またしても60年代のスパイ・アクション、もっと限定するとエージェントものにこの作品を仕立てたという宣言だ。007とか、ナポレオン・ソロとか、ディーン・マーチンのサイレンサーものとか、ジェームズ・コバーンの電撃フリントとかね。
同世代のわたしはつくづくと賛同する。また、あの能天気なシリーズが見たいよな。よく考えたら、トム・クルーズがミッション:インポッシブルの第4作の監督にブラッド・バードを起用したのはトムの慧眼であると同時に必然だったのではとすら。
今回も絶好調です。アニメ史上最高の興行収入になったのも納得。テーマは「未来のミライ」と同様なんだけど、こちらの脚本は練りに練り上げられてます。怪力で賞賛を浴びていたMr.インクレディブル(三浦友和はやっぱりうまい)が、ゴムゴムの実を食べたような妻(黒木瞳おみごと)の活躍に切歯扼腕し、子育てに翻弄されるあたり、続篇の窮屈さを微塵も感じさせない。
悪役の理屈もちゃんと納得できる話だし(ピザが遅れたらおれだって怒る)、長女(なんと綾瀬はるか)の恋愛が妨害されるのが、記憶を消し去るスパイ組織の論理であるあたり、うまい。
ここまで来ると、やっぱり提案したい。トム、次のミッション:インポッシブルの監督はまたブラッド・バードでどうなんだよ。イラスティ・ガール(ゴムゴムのおかあさんね)のセクシーさを、あんたほどわかってるヤツはいないはず。わたしの大好きなエドナ(ヒーローたちの専属デザイナー。わたし待ち受け画面は彼女でした。おそらくイーディス・ヘッドがモデル)的な存在(きっとそれは007のMに相当する)を導入してさあ……あ、すっかり製作者目線になってしまいました。
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