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オリジナルの「ウルトラマン」の科学特捜隊は、いかにもな戦闘服をハヤタ隊員(黒部進……言うまでもなく、ウルトラマンティガに登場した吉本多香美のお父さんです)やフジ隊員(桜井浩子)は着ていた。しかし今回は普通のビジネススーツ。どんな意図があったかというと……そう来たかあ。
ネタバレになるので恐縮だが、長澤まさみがある事情があって巨大化するのである。
みなさん想像してください。ゴーストバスターズでマシュマロマンがニューヨークを破壊したシーンがあったでしょう。この映画では真っ昼間に長澤まさみが東京のオフィス街を闊歩するのである。ビジネススーツ姿で(笑)。
わたしは行きつけの飲み屋で、テレビに長澤まさみが出てくると
「この人って足が長いんだよねえ」
といつもつぶやいている。
「そうなの?」と女将。
「そうなの」
その長い足を惜しげもなくさらし、ひじ撃ちでビルを破壊する。これは、一種の性的妄想の具現化ではないだろうか。
わたしが思い出したのはペドロ・アルモドバルの「トーク・トゥ・ハー」における巨大な女性器に入っていく孤独な男の妄想だった。
ああこの映画については語りたいことがもっといっぱいある。一種の、破綻した映画でもあるわけだが、あらゆる世代に(ウルトラマンを知らない世代にも)強く何かを訴えかけてくる作品だ。ぜひ。