事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「タフガイ」藤田宜永著 早川書房

2019-07-25 | ミステリ

「喝采」はこちら

前作が72年、今作は74年のお話。沢崎がブルーバード、竹花がスカイラインなら浜崎はベレットGTで東京を走り回る(いすゞはもう乗用車をつくってはくれないのかなあ)。

しかしどうも主人公の探偵よりも、脇役たちの方が魅力的。アダルトショップを経営する夫婦、気落ちする大金持ち、そして意地の悪い使用人たち……かつて「鋼鉄の騎士」で見せたような圧倒的なリーダビリティは望むべくもないが、滋味深いやりとりはなかなか読ませる。

クールな探偵がバヤリースオレンヂを飲むあたりのユーモアと、最後の最後に、誰がタフガイだったのかが露わになるのが、定番とはいえ、いい感じ。

コメント
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