Vol.13「先生が好き」はこちら。
非正規で働く30代女性。夫が不特定多数の女性と性行為を重ね、その写真をブログに掲載していることがわかりました。離婚すべきかどうかで悩んでいます。
夫はお金にルーズで、帰りも毎日遅く、すぐにうそをつく癖があります。お金のことでも散々、苦労させられてきました。その上、5年前からブログを書いていたのがわかったのです。
幼い子どもが生まれる数日前に、書き込みはいったん終わっていましたが、先日、「再開します。どんどん遊んでいきたいと思います」とつづっていました。夫を愛しており、ショックで食事も喉を通りません。
夫婦の営みは、子どもを妊娠してから一度もありません。子どもができるまでは本当に仲が良かったのに、今は私から誘っても、「気持ちがないからできない」と言われます。
子どもといる時は良い父親で、子どものことを考えると離婚をためらってしまいます。しかし、今後の私の人生を考えると苦しいのです。夫にはブログのことを話せずにいます。(島根・I子)
前回は純粋な女子高生の純愛のお話。それがなんと今回は最低の野郎のお話になってしまった。大人って嫌ね。
にしても最低最悪の亭主。むしろどうしてまだ離婚していないのか不思議なくらい。これぞ人生相談の真骨頂、相談者だけが何も見えなくなっている状態。
おそらくこの亭主は美男で、女性のあつかいも巧み(気をつかった表現)なのだろう。自分がもてるという自信があるからこそ、気が遠くなるようなブログを綴っていられるわけだ。およそ妻に不貞を気取られることなど想定していない。
それにしてもこの楽天性、というか無邪気さは並みではない。金にルーズなことでもわかるように、常に「なんとかなる」と思っているし、実際に「なんとかなってきた」のだろう。おそらくはI子さんをはじめとした周りの犠牲の上に。
でもI子さんはまだこんな男を愛している。少なくとも「自分は愛している」と思っている。ダメンズ(死語?)好きな人は「あたしがいないとこの人はダメなの」と、男にとって最高に都合のいい存在だが、そろそろ亭主のダメっぷりに見切りをつける頃合いでしょう。ああそれにしてもこの男のブログは見てみたい(笑)。
本日の1冊は「コンプレックス文化論」武田砂鉄って書き手はすごいぞ。
Vol.15「浮気なぼくら」につづく。