事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

踊る大捜査線②

2007-07-05 | テレビ番組

4988632501361_2 前回、勝手に金沢忠雄を殺してしまった堀です(笑)。ご指摘ありがとうございました。性懲りもなく生きてたんだなあアイツ(当時)。そんなこと言っちゃいけないか。

 さて「踊る大捜査線」ですが、一言でいえば『思想は気に入らないが出来はいい』ということになるでしょうか。水戸黄門あたりでいつも不満に思うのは「この天下の副将軍とやらと出会わなければ、一膳飯屋のお京さんはあえなく身売りされ、悪代官と廻船問屋越後屋は悪事のし放題だったわけか?」との疑問が拭えないこと。

 たまたま偉くて善良な(二律背反)ジジイと出会えたことでハッピーエンドを迎えたに過ぎないだろ、と私はテレビに突っ込んでいる。このドラマにしても、たまたま話のわかるキャリア(これもほとんど二律背反だ)と出会えたことでしか存在しえない脱サラ刑事の夢物語……こんな意地悪な観方もできるのだ。

 
 そーんな細かいこと言ってたらテレビドラマなんか観られないぞ!と言われるかもしれない。その通りです。並みのテレビなら、私もこんなことは言わない。「HERO」が中卒の検事を扱っていたとしても、私は全然かまわない。しかし「踊る~」はその点を除けば無茶苦茶に出来がいいドラマなのだ。無いものねだりもしたくなるというものではないか。例えば、そのキャリアである室井を傍流の東北大出に設定することで、改革派であることが必然であるかのように描いたり、“刑事ドラマ”そのまんまに突撃する青島の背後に、さりげなくゴルフのスイングなんかしている署員を配置する小技を見せる。見事なものだ。

 096b 前回も書いたように、山形では夕方の放映だったので、その頃はまだ宿泊していた教育事務所との共催研の日に、飽海郡の男性事務職員5人が保養所の一室で「踊る~」を観ていた。駄弁りながら観ていたテレビだったのに、たまたまその回は殆どの人が一番感動したであろうシーン⇒ユースケ・サンタマリアを撃った保坂尚輝を捕まえるために、青島は土砂降りのなか、這いつくばって銃弾を捜し、検問中のすみれさんは泣き出した交通課の婦警を平手打ちする……バックにはLove Somebody のゴスペルバージョンが流れている⇒だったため、その部屋にいた全員が思い切り粛然としてしまった。そのくらい力のあるドラマでもあったのだ。

 このドラマ以後、キャリアとノンキャリの問題は他省庁でも頻出したためにすっかりお馴染みとなり、本来はハードな警察小説(「新宿鮫」「レディ・ジョーカー」)でしかお目にかかれない公安と刑事警察の反目(公安が一方的に見下しているのだが)、といったマニアックなネタもテレビで受け容れられるようになったのは果たしていいことなんだか。

 さて、残る問題はこれだけのファンをつかんだドラマを、あのフジテレビ(と東宝)がそう放っておきはしない、ということだろう。どんな形で続編を作るにしろ、最初のセリフはもう決まっている。
「都知事とおんなじ名前の……じゃなくなってしまいましたが青島です。」あれ?これもうやったっけ?

意外なことにまだつづく。

コメント
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