事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

マクドナルド物語④

2007-07-22 | 食・レシピ

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前号繰越

 当時は雑誌「ポパイ」の全盛期で、マックの連中も正ちゃん帽をかぶり、ボタンダウンのシャツに身を固めた所謂ポパイキッズが多かった。
 
 私も影響を受けまくって、最初のバイト代で、シエラデザインのダウンパーカーを買ったりもしたのだった。ううう恥ずかしい。しかも今もこのパーカー現役で着ているのである。恥ずかしいって。

 それもこれも、みんな女の子にモテたい、その一心で。マネージャーが採用をペンディングにしたのはやっぱり正解だったかも。
 そのバイト仲間だが、成城が近いこともあってか、金欲しさが前面に出ているのは我々メンテ組ぐらいのもので、カウンターやキッチン組は、割に上品な連中が多かった。

……中には、有名人の子女もいた。

 店から200mほど離れたビルに、バックルームと呼ばれる(また符牒だ。我々は“楽屋”と呼んでいたが)従業員たちの控室があった。思えばここから出てきたIに私はつかまったのだが、その一室でおとなしそうな女の子を紹介してもらった。なんと金田正一の娘なのだという。

「金田って……400勝投手の?」

当時は長男の(彼女とは母親が違う)賢一が芸能界で活躍していた(今もテレビで見かけはするが)。

「やっぱり、厳しいお父さんなの?」
「そんなことないですよ。」
娘にも、400勝しろとか
「言わないですよそんな(笑)」

まわりの評判もよく、気持ちのいい娘だった。その後資生堂のCMに出た妹にはルックスは負けていたが。

「お兄さんにさー、文句言っといてくれよ」
「どうしてですか?」
「俺さー、熊谷美由紀のファンだったんだぜー」
その頃公開された「正午(まひる)なり」というATG映画で、金田賢一と、後に松田優作と結婚した熊谷美由紀の濃厚なラブシーンがあったことを指している。もちろんいいがかりである。
「お兄ちゃん、今いっしょに住んでないですから(笑)」

いい娘だったよなー。今どうしてるんだろうか。私は金田の物言いは(「ビシバシ言わせてもらうでぇ!」)巨人寄り過ぎて好きではないが、金持ちのくせに娘にキチンと労働させていたことだけは評価する。

以下次号

コメント
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