事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

300('07 米)

2007-06-17 | 洋画

300 原作フランク・ミラー 監督ザック・スナイダー 主演:ジェラルド・バトラー、レナ・ヘディ

アケメネス朝ペルシア!デルフォイの神託!クセルクセス!おなじみの単語がそろった史劇。そろってるだけで歴史的意義は全然忘れてる(T_T)。

 テルモピュライの戦いは、都市国家乱立のギリシャが統一に向かうきっかけとなったことで知られている(オレは知らなかったけどさ。世界史選択してたんだけどなあ)。実際には300人VS 1,000,000,000人なんてむちゃな数字ではなくて、数千人VS20万人程度の差ではなかったかと言われている。いずれにしろ『負けることが必然』なシチュエーションには違いない。ほとんど伝説か神話の時代だから何でもありだ。

ザ・シューター」と同様、交戦中の国家において創られた作品であることを考えると突っこみどころ満載である。ペルシア(まあ、今のイスラム圏ですわな)側はクセルクセス以下、病的なルックスの化け物ぞろい。対するスパルタ側は“健康なこどもしか育てない(→病弱な子は谷に捨てる”ポリシーだから全員がマッチョな健康優良児。そりゃ、イランの連中なんかは怒ったろう。ちょっとネタバレだけど“死ぬことで勝利に結びつける”特攻精神は、優生学的スパルタ教育とあいまって危ないったらありゃしない。まあ結果的に女性の人気を集めそうなのは、クセルクセスを顔面ピアスつけまくりで演じたロドリゴ・サントロだろうけど。

 しかしこの映画のキモは、なんといっても特撮。要するにグラフィック・ノベルをそのまま動かしてやれ、というコンセプトはみごとに成功している。人間の身体がこんなにサクサク斬れていいもんか、なんて野暮は言いっこなし。伝説と神話の時代においては、なんでも起こりうるのである。

コメント
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