
『円卓』 西加奈子
ちびまるこちゃんに似たような家族構成で、違いはお姉ちゃんが三つ子で4人姉妹の末っ子琴子(こっこ)
美人ではあるし、姉妹仲好いし、なんの不満もないのに、こっこは吃音の仲良し男子や、眼帯かけた子や難民の同級生にあこがれて、孤独になりたいなんて思っている少々へんてこりんな小学生。
青少年向けなのか改行が多くて、あっという間にすらすら読めてしまう。
かなり癖のある文章なので、好き嫌いはあるだろうし、1冊読めばもういいかなとも。
ところどころにうんちくのある言葉が出てくるのがふむふむ。
「ため息を吐くと、体の力が抜け、何ごとにおいても投げやりな気持ちになれる。
気概をもって物事に対峙する姿勢だけが、素晴らしいことではないはずだ」
「個性いうもんは、目的にしたらあかんのや」
障害も個性といわれたりするが、なんか違和感ある。
思い入れよりあっさりとハンディと割り切るほうがええねんけどね、私は。
『あの日、僕は旅に出た』 蔵前仁一
蔵前さんの本は数冊しか読んでないけど、本来の彼の職業はイラストレイターであり、彼がいつから旅に出て、書いた本がたまたま売れて、旅ガイドブックの出版社を起こして、あちこちの国を駆け巡り、ガイドブックよりネット情報の時代になり、そして出版社を縮小して…
私が読みだしたのもシーナさんの本の雑誌の紹介からだった。
出版社なんて売れる本を次から次へと作り続けて行かないと採算が合わない、好きでなければやっていけない仕事なのね。
面白い本を書く蔵前さんだけど、作家ではなく旅行人なので、旅に出ないとモノを書けないというのがなるほど。