
直木賞受賞作家西條奈加の時代小説。
商家の四男坊が跡継ぎのお千瀬に望まれて仕出し屋「逢見屋」に婿に入る。
代々女将が全ての商いを仕切る慣いがあり、お飾りの婿は暇を持て余すが、頼りなくも優しい鈴之助は失われた家族の間を取り持つことになり…
これといった大きな波乱もなく、わりと淡々と話は進むが、結末は大円団、ハッピーエンドで終わって、うるっときて、すっきり気持ちがいい。
季節の仕出し弁当のお料理やお菓子も美味しそう。
「神の鳥」ともいわれているライチョウ=雷鳥。
標高2500m以上の高山のハイマツ帯に棲み、人を恐れず、でもめったにお目にかかれない貴重な鳥。
中央アルプス(木曽駒ケ岳周辺)に再びライチョウを生息させるという、NHKテレビのドキュメンタリーを見ていたので、読みたかったのです。図書館で借りてしばらく中断していたが、読了。
テレビでは詳しい経過はわからなくて、いいとこどり映え撮りみたいな感じだったけど、自然を元に戻すというのは、関係各所の協力の下、誰に何を言われようと諦めずにとことん突き詰めてしつこく地道にやるしかないのね。
ライチョウのこととなると関係者やスタッフに怒鳴り散らす学者バカみたいな中村先生、この作戦を最後まで見届けたいと異動辞令を蹴って、朝日新聞社を早期退職までして地元に残った著者の近藤さん。
たった一羽で乗鞍から山伝いに木曽駒ケ岳までやってきて棲み着いた飛来メスに(当然、卵を産んでも無精卵で繁殖はできない)よそで産んだ有精卵を托卵させたり。
ライチョウは産まれて1ヶ月間のヒナの間の死亡率(天敵や寒さ)が高い。
乗鞍で、ひなの間は大型ケージに保護して数を増やしたり、動物園に繁殖を依頼して、中央アルプスに移送するという作戦は2023年に一応成功、今後の経過も気になるところです。
確か、2012年の立山ではライチョウ親子の写真撮ったなぁと、改めて、ライチョウの良さを振り返っています。