『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1285

2018-05-11 07:03:58 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 帰途につく艇上のガリダがオキテスに話しかける。
 『おう、オキテス、昨日はえらく世話をかけた。建造用材の注文はもらうは、世話をかけるは、いろいろとありがとう。建造用材の件、任せておいてくれ!それでだが用材の製材調整の件がある。派遣している五人だが、明日にでも一時帰してくれ。建造用材の納入時に改めて派遣する』
 『解った。明日、朝の第一便で帰す!よろしくな』
 オキテスは、オロンテスにガリダ宛の手土産の件を頼み、彼らを見送る。
 ヘルメス艇が浜を離れていく、ガリダらが艇上で手を振っている、彼らの気持ちが伝わってくる、ヘルメス艇が遠ざかっていく。
 オキテスが傍らに立つドックスに声をかける、二人は建造の場へと足を運ぶ。
 『オキテス隊長、用材の手配も終わり、今日から4日くらいかけて、9月の建造計画に基づく建造の場造り、整備を行います。これが場の整備設計図です。このような配置で造成します』
 オキテスに場の整備設計図を描いた木板を手渡す。
 『建造の場の整備設計図か。作業に従事する人員が増えるぞ。それに対応する余裕をみてあるな?』
 『はい、充分に考慮しました』
 『工具類、必要とする金具類等の準備に集散所の業者に手配しなければならんな』
 『はい、その件についての調達詳細は、今日、仕あがります。明日、アレテスの昼便で集散所へ出向こうと考えています』
 『日にち的にみて、それでいけるか?』
 『いけると考えていますが、特別製の組み立て用金具の件もあります。チョットぎりぎりかなとも思われます』
 『ちょっとだが 心もとないな。何としても、明日、アレテスの昼便で集散所に行け!』
 『解りました。そのように段取りします』
 『朝の打ち合わせ、それでいいな!よし、ドックス、朝めしに行こう』
 二人は立ちあがる、建造の場の者ら一同と過ごす朝めしどき、オキテスは朝めしが旨かった。
 建造の場にパリヌルスが姿を見せる。
 『おう、おはよう!いい朝だ!』
 『建造用材の発注手配も終えた。首尾は上々といったところだ』
 『そうか、それはよかった。両人の奮闘ご苦労であったな。ところで今日、話し合っておきたい用件がある。9月から建造作業に従事する人員の件、もう一件は新艇の構造に関する件だ』
 『おう、そうだな、人員計画については、話し合っておかねばならんな。新艇の構造の件、これは話し合えば即決できるだろう。その段取りでどうだ』
 『いいだろう。人員計画及び新艇の構造改良計画等、ドックスも加えて三人で話し合う。いいな』
 『おう、解った。昼めしを終えたらすぐにやろう』
 パリヌルスは建造の場にとどまり、三人で心の凝りほぐしにいろいろと話し合って過ごした。


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