『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY     第6章  クレタ  64

2013-03-29 09:09:36 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 アヱネアスは、思考を中断して海岸線を眺めた。
 ギアスは沿岸航法で進んでいく艇の進む方向の方角の狂いに気が付いた。東方向へ進路を転じて30分余りの間に舟艇がやや南東に向かっていることに気が付いた。そのころには南に向かわねばならないのである。何事も起らなかったことが幸いした。彼は大声で艇上の者たちに南下することを告げて、舳先を南に向けた。受ける風向きが変わったと同時に漕ぎかたに指示を出した。
 『漕ぎかたを始めっ!』
 舟艇は、船速を落とすことなく南下していった。
 沿岸の風景が変わった。岩礁がなくなりまっすぐに伸びる海岸線、そして、白く輝く浜が目に入ってきた。ほどなく舟艇は進路を30度くらい南南西に向けて進んだ。進行方向が変わった地点から風景が変わり、浜がますます広くなっていった。
 ギアスは、パリヌルスに進路を案内誘導してほしい旨を伝えた。
 『パリヌルス隊長、進路の案内誘導指示をお願いします』
 『おう、判った。お前、なかなかやるじゃないか』
 ほどなく最終の進路転換点に到った。
 『ギアス、目指す目標物はない。舟艇をまっすぐ西へ向かわせるのだ。いいな』
 彼は方角時板の鉄棒を取り出し目の高さに構え、舳先の方向を確認した。
 『ギアス、舳先をもう少し右へ向かわせろ。入り江を斜めに突っ切るのだ』
 『判りました』
 ギアスは操舵担当にすかさず指示を飛ばした。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY     第6章  クレタ  63

2013-03-28 09:28:35 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『おう、いいだろう。その予定で行こう、ギアス判ったか。それで艇を進めてくれ』
 『判りました』
 舟艇は、洋上を滑るように波を割って進んだ。アヱネアスとイリオネスは海岸線を眺めて感想を話し合っていた。
 『なあ~、イリオネス昨日見た海岸線と趣がちい~と違うな。半島として突き出ているだけで、このように違うとはな』
 『我々が海を知らないというわけではないのですが。海を南にするのと北にするのとでは、そのあたりに違いがあるのですかな』
 トロイ時代には、海岸線までに少ないとはいえ距離があった。エノスでは海を南にした海岸線に居住した。クレタでは海を北にすることになる。海を北にするか南にするかで、その違いを実感していた。
 『まあ~、与えられた条件を是として受け入れ、それに慣れていくことか』
 自然を利して生きていくことは、自然に抗うことではないという想いを心の片隅に抱いた。
 彼らは農耕社会に生きる人種であり、そして、イタリアの地を祖とする戦士族であったのである。ローマ建国までこの民族であり、この種族としての思考を連綿と引き継ぎ、尚、次世代に引き継いでいくわけである。ロムルスが兄弟のレムスを殺害をする場でも、その思考でロムルスが手を下したのである。また、ローマ時代に於いて、戦争を挑む相手国に対して宣戦の布告の礼式がこの種族の思考と理念によって組み立てられた礼式によって実行されていったのである。(話が先に飛びすぎました。失礼しました)

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY     第6章  クレタ  62

2013-03-27 08:21:46 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『軍団長、東へ方向を転じます』
 『おう、判った』
 『オキテス隊長、この風の力ですが、例の風風感知器で測ってみてくれませんか』
 『なにっ、お前なかなか気が利くな。よしっ!、待ってろ』
 オキテスは、袋から風風感知器を取り出して、風向に向けて風風感知器をかざした。
 『ふっふ~ん、風はこの程度か、おい、ギアス、もう漕ぎかたはやめていいぞ。帆は満帆しろ。風は、やや北東に向かっている。北に流されないように気をつけろ』
 オキテスの言葉を受けて、ギアスは操舵の者に声をかけ、三角帆の向きと操舵に充分注意するように指示をした。トピタスは櫂をあげるように漕ぎかたに指示をした。アヱネアスは、この様子をじいっと見ていた。
 『おっ、オキテス、その道具を見せてみろ。これは初めて目にするな、いつの間に造ったのだ。なかなかに重宝な道具のようだな』
 『エノスを出航する二日前です』
 舟艇は、冬のはしりの日差しの中を東に向けて進んだ。
 『軍団長、なかなかいい海岸線ではないか、しかしだな、海岸の岩礁に打ち寄せる波は、いつもあのようなのかな』
 アヱネアスは、風の具合と岩礁に打ち当る波の荒ぶる様を見ての感想であった。
 イリオネスは、クリテスに描かせた木板の地図をアヱネアスに見せながら、今日の視察調査の予定を話し合った。
 『おい、パリヌルス、オキテスもこれを見て話し合いにのれ』
 『判りました』
 パリヌルスが答え、彼は続けた。そして、地図の一点を指さして。
 『ここがスダヌスの浜です。統領、軍団長、まだ昼前です、スダヌスの浜へ行きましょう。かの入り江を見ておく必要があります』

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY     第6章  クレタ  61

2013-03-26 14:21:59 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 新天地!それは、彼らの希望を育むのか、圧しつぶすのか、彼らの期待に応えてくれるのか。大自然に対して受け身で生きていく彼らの大問題であった。古代のこの時代に生きる者たちが、持てる人智を尽くしての大問題であった。その大問題に対峙するアヱネアス、彼が率いる集団が挑み対処する問題であった。
 クレタに着いて、アヱネアス、そして、彼を取りまく主だった者たちも気を休ませることなく諸問題に対峙する姿がそこにあった。彼らは、そのことについて、どれくらい認識していたか、いなかったかは定かではない。人間が文明を開化させ、社会を築いていく黎明期であった。
 とにかく、アヱネアスは、クレタ島の上陸した浜をベースにして、トロイの民が生活を建設する土地を空間を含めて立体的に思考した。さらにその土地が有しているであろう未来にまで及んで思考した。そのうえ、あらゆる諸条件を考慮して、認められるか、認められないか、判じがたい小さな小さな一点をどこにするかを脳漿を搾って懸命に考えた。
 上陸した浜を船出して、風に抗い、櫂で海面に泡だてて、波頭のしぶきを浴びて北に向かった。アヱネアスは舟艇の上でも考えに考えた。沿岸に沿って舟艇は北上していく。東の方向へ舳先を転じる地点に至った。
 今日も西風である。ギアスはイリオネスに声をかけた。


『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY     第6章 クレタ  60

2013-03-25 13:12:03 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 オロンテスが二人を連れてイリオネスの許にやってきた。
 『おはようございます、軍団長。私たち出かけます。昼めしの事ですが、ギアスに渡しておきました』
 『おう、オロンテス、昨夕はご苦労であった。お前と俺とは事情の分かっている間柄だ、今後とも宜しく頼むぞ。セレストス、お前は帯剣していけ、トラブルことはないと思うが、従卒を二人ぐらい連れた行け。用心するにこしたことはない。いつどこでどんな事情で敵に遭遇するかもしれたものではない。オロンテス、クリテスの二人は、剣を使わないからな。三人とも気を付けて言ってきてくれ。俺たちの帰りは陽の沈むころだ。留守番役は、カイクス、リュウクス、アンテウスの三人に言いつけてある』
 『判りました。軍団長も気を付けて行って来てください』
 『おう、判った』
 主だった者たちは、それぞれの要務を遂行するために浜を出払った。
 クレタの気候は温暖である。エノスに比べて雨模様の日も少ないように思われる。彼らがクレタに着いてからの天候に関する実感であった。草っ原の草丈がエノスに比べて低いように思われた。樹木の繁茂する森は、ナラ科、カシ科の樹木が多いように見受けられた。この地について、まだ四日目である、季節にっよって吹く風の様子については不明であった。それが彼らの単純に感じたクレタの自然であった。
 彼ら自身、この新天地に馴染んでいけるかどうかについては思いのほか深刻に思案した。気候的条件については、なじんでいけそうである。あとは農耕生産物の収穫の結果を問いたいところであった。

<ピタクル『次の一手』サービスラブ>     <ピタクル『次の一手』ニュース NO7-3>

2013-03-24 10:40:19 | 『次の一手』プレゼンテーション資料
 <ピタクル『次の一手』ニュース NO7-3>
 『なに?それ?』④バイオリズム リズムデータを表示する時計。
 一例をあげれば、体調と知性とのイレギュラーデイが重なる日に、高齢の方が坑ヒスタミン剤が調合された風邪薬を服用しての自動車運転は控えられることをお勧めします。なぜならば、体調の不調と思考、注意、判断が鈍ります。あるタクシー会社では、安全運転管理にバイオリズム理論を使って運転の人的管理をしているところもあります。
 また、あるスポーツチームでは、バイオリズム理論を取り入れて、コーチング、マネージメントをして、いい成績を上げているチームもあります。
 好調活動期は、ミラクル現出の期間です。新記録が出る、いい企画が立案できる、感が冴える、テストに100点、碁会で優勝、ゴルフでベストスコア、好調活動期は絶好調の期間です。バイオリズムの好調活動期を知って、良い日、グッドデイ、ラッキーデイを過ごしたいものです。
 『明日はいつもの俺で行く』『今日は細心の気配りで過ごす』
 バイオリズムの状態を知ることは、明るい明日を知るサイエンスです。いま、高齢者向きの置時計タイプのバイオリズムクロックの要望があります。また、複数人のマネージメントができるバイオリズムクロックカリキュレータ付のバイオクロックの要望もあります。これからは、レデイスバイオリズムウオッチの需要が期待できそうです。
 是非、『次の一手』にバイオリズムウオッチ、バイオリズムクロックをご検討ください。

             <ピタクル『次の一手』サービスラブ>  山田秀雄

<ピタクル『次の一手』サービスラブ>      <ピタクル『次の一手』ニュース NO 7-2>

2013-03-23 10:13:42 | 『次の一手』プレゼンテーション資料
 『なに?それ?』④バイオリズム リズムデータを表示する時計。


 このイレギュラーデイには、何がイレギュラーするのかが問題なのです。
 体調のイレギュラーデイ(23日周期)には、風邪をひきやすい、病状悪化の引き金がひかれる。運動競技では、いつもの調子が出ない。幼い子供たちの場合には、一つの事に夢中になって遊ぶ時に自分を忘れてミス、ポカをする。ケガをする。高齢の人の場合には、階段で段を踏み外す、歩行時には、つまずく、転ぶ、ウッカリミスをやります。幼い子供たちや高齢の人にバイオリズムのイレギュラーの兆候が出やすいのです。
 感情のイレギュラーデイ(28日周期)には、情動が不安定になり、感情の高ぶりに心くばりしなけれbなりません。失言、口論に気を使い、自動車運転に感情をからませないようにすることが肝要と思われます。
 知性のイレギュラーデイ(33日周期)には、注意力、集中力に安定度を欠きます。判断力、洞察力も鈍りやすい兆候が出ます。自動車の運転には、最新の注意を払うように努めることをお勧めします。注意に気を使って過ごす2日間と思ってください。    つづく

           <ピタクル『次の一手』サービスラブ>   山田秀雄

<ピタクル『次の一手』サービスラブ>     <ピタクル『次の一手』ニュース NO7-1>

2013-03-22 20:27:51 | 『次の一手』プレゼンテーション資料
 『なに?それ?』④バイオリズム リズムデータを表示する時計。
 私たちの身体には、生体としてのリズム活動があります。そのリズムは、バイオリズムといわれています。そのリズムは周期性を持っています体調の好調、不調にかかわっています。バイオリズムの状態を知って、日々の生活を順調に過ごすようにしたいものです。ピタクルでは、このバイオリズム リズムデータを知って迫る危機を避け楽しい日々を送っていただくために、バイオリズム リズムデータを表示する時計を開発しております。
 バイオリズムには、3つのリズムがあります。①身体体調の好調、不調にかかわるリズム。②感情、情動にかかわるリズム。③知性、思考、判断にかかわるリズム。この3つです。

 今なぜバイオリズムなのか。私たちの生命活動は、体調、感情、知性の3つの周期的なリズムで生かされているのです。
 これらのリズムは、わたしたちの身体の体調、体温、代謝、月経(女性の方)等、生体の重要な機能に見られます。
 この3つのリズムには、好調活動期、中調安定期、そして、リズムの周期中に2回の変調日(イレギュラーデイ)があることです。この時がリズム状態のイレギュラーデイなのです。このイレギュラーデイの期間が短ければ1日、長くて2日と半日ぐらいです。このイレギュラーデイは、中調安定期から好調活動期に移行するとき、好調活動期から中調安定期に移行するときなのです。             つづく

          <ピタクル『次の一手』サービスラブ>  山田秀雄

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY     第6章  クレタ  59

2013-03-22 10:08:09 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『判った。アレテス、ありがとう』
 『ところでお前ら、どんな風体で出かける?土地の者たちとトラブルとまずい、何とする。2人で行くわけだからな、負けるような状態になったら逃げることだな。自分たちが有利なところに誘い込んで、叩っ斬ることだ。お前ら何としても無事に帰って来いよ。風体は旅人を装うことだな、一人は帯剣していてもいいと思う。一人は剣を隠し持っていくことだな。くれぐれも気をつけていけよ』
 イリオネスは四人の顔をしげしげと見つめた。
 『あ~あ、それから、留守番役の三人、いつもやっていることだ。変わりはない。しかし、君たちは担当責任者だ、判るな。抜かりないようにやれよ。以上だ、頼んだぞ。統領以下、俺たちはこのあとすぐ出かける。また、オロンテスとセレストス、クリテス、この三人も出かけていない』
 『判りました』
 イリオネスは打ち合わせを終えてギアスを呼んだ。 
 『おう、ギアス、出航の準備を頼む、今日はオロンテスとクリテスは別用で出かけていない。二人を除いたメンバーは昨日と同じだ。今日は昼めしを積んでおいてくれ。あと半刻ぐらいで、メンバーがそろい次第、出航する。いいな』
 『判りました。今日は、この岬半島の海岸ですね』
 『おう、そうだ。クリテスに言って、木板に半島の略図を描かせてくれ、それを持っていく』
 『はい、判りました。準備が整ったら呼びに参ります』

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY     第6章  クレタ  58

2013-03-21 09:30:46 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『アレテス、お前はだな、この方面を担当するのだ。リナウスはこの方面だ。大体判るな。我々がいる浜はここだ』
 イリオネスは、突然振り返って大声をあげた。
 『お~い、クリテス、ちょっと来い!』
 クリテスが走ってくる。
 『あのだな、クリテス、この木板を見るのだ。俺は海岸線だけを引いたが、この海岸線に不足を描き足してくれ。この者たちを視察調査に出す。海岸線を描いたら、次に背後の森の状態とお前の知っている主な集落も簡単に描きいれてくれ』
 『判りました』
 『え~と、それから、今日の留守の間の責任担当するのは、カイクス、リュウクス、アンテウス、お前ら三人だ。統領と俺、パリヌルス、オキテス、ギアスは、東部海岸線の視察調査に出る。オロンテス、セレストスはキドニアの街の調査に出かける。クリテス、お前はオロンテスと一緒に行ってくれ。どうだ、クリテス描けたか、お~およし、アレテスにリナウス、これを見ろ、いいな。頭に叩き込め!判ったか。聞きたいことがあれば聞いてくれ』
 イリオネスは話を区切った。
 『これから話すことは調査の要点だ。まず、集落の実態だ。おおよその戸数と人口。次は森だ、砦の建設に必要とする用材を切り出すことができるか否かだ。そして、量だ。次にそのあたりを支配している豪族のいるかいないかだ、できればそいつらの力具合だ。そのへんを念を入れて調べてくれ。それがむつかしいときはやめておけ』
 『判りました。おいっ、リナウス、大丈夫か?俺はこの種の仕事は、エノスの時に経験している。何か不明な点があれば俺に聞け、いいな』