アヱネアスは、思考を中断して海岸線を眺めた。
ギアスは沿岸航法で進んでいく艇の進む方向の方角の狂いに気が付いた。東方向へ進路を転じて30分余りの間に舟艇がやや南東に向かっていることに気が付いた。そのころには南に向かわねばならないのである。何事も起らなかったことが幸いした。彼は大声で艇上の者たちに南下することを告げて、舳先を南に向けた。受ける風向きが変わったと同時に漕ぎかたに指示を出した。
『漕ぎかたを始めっ!』
舟艇は、船速を落とすことなく南下していった。
沿岸の風景が変わった。岩礁がなくなりまっすぐに伸びる海岸線、そして、白く輝く浜が目に入ってきた。ほどなく舟艇は進路を30度くらい南南西に向けて進んだ。進行方向が変わった地点から風景が変わり、浜がますます広くなっていった。
ギアスは、パリヌルスに進路を案内誘導してほしい旨を伝えた。
『パリヌルス隊長、進路の案内誘導指示をお願いします』
『おう、判った。お前、なかなかやるじゃないか』
ほどなく最終の進路転換点に到った。
『ギアス、目指す目標物はない。舟艇をまっすぐ西へ向かわせるのだ。いいな』
彼は方角時板の鉄棒を取り出し目の高さに構え、舳先の方向を確認した。
『ギアス、舳先をもう少し右へ向かわせろ。入り江を斜めに突っ切るのだ』
『判りました』
ギアスは操舵担当にすかさず指示を飛ばした。
ギアスは沿岸航法で進んでいく艇の進む方向の方角の狂いに気が付いた。東方向へ進路を転じて30分余りの間に舟艇がやや南東に向かっていることに気が付いた。そのころには南に向かわねばならないのである。何事も起らなかったことが幸いした。彼は大声で艇上の者たちに南下することを告げて、舳先を南に向けた。受ける風向きが変わったと同時に漕ぎかたに指示を出した。
『漕ぎかたを始めっ!』
舟艇は、船速を落とすことなく南下していった。
沿岸の風景が変わった。岩礁がなくなりまっすぐに伸びる海岸線、そして、白く輝く浜が目に入ってきた。ほどなく舟艇は進路を30度くらい南南西に向けて進んだ。進行方向が変わった地点から風景が変わり、浜がますます広くなっていった。
ギアスは、パリヌルスに進路を案内誘導してほしい旨を伝えた。
『パリヌルス隊長、進路の案内誘導指示をお願いします』
『おう、判った。お前、なかなかやるじゃないか』
ほどなく最終の進路転換点に到った。
『ギアス、目指す目標物はない。舟艇をまっすぐ西へ向かわせるのだ。いいな』
彼は方角時板の鉄棒を取り出し目の高さに構え、舳先の方向を確認した。
『ギアス、舳先をもう少し右へ向かわせろ。入り江を斜めに突っ切るのだ』
『判りました』
ギアスは操舵担当にすかさず指示を飛ばした。