『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1284

2018-05-10 08:06:01 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 彼ら一行の向かう広場に焚火が勢いよく燃えている、案内してきた者がオキテスに場を引き継ぐ。
 『おう、ごくろう!世話をかけたな。あとはこちらでやる』
 一同が焚火を囲んで腰を下ろす。
 『おう、ガリダ頭領。乾杯の声がけをやってほしい!』
 『おう、了解!』
 ガリダが酒杯を手にして立ちあがる、全員が杯を手にして立ちあがる、ドックスとタブタが彼らが手にする酒杯に酒を注ぐ、オキテスがガリダに目配せする、口を開くガリダ。
 『おう、一同!』
 場を見まわすガリダ。
 『いい船は君らによって造り出される!君らの日々に幸いあれ!乾杯!』
 杯の酒を飲みほす、焼きあがった食材に塩を振る、口に運ぶ、夕食会が始まる。
 『おう、頭領!乾杯の声がけ、いいことを言うな!あれは感動の一語だぜ』
 『お前、俺の声がけを誉めてくれるのか。おう、感謝、感謝!』
 『おう、そうだ!さあ~、飲んでくれ』
 オキテスがガリダの杯を酒で満たす、一気に飲みほす、酒ツボを手にしてオキテスの杯に酒を注ぐガリダ、二人は酒を酌み交わす。
 ガリダが派遣の者らに酒を注ぐ、五人がかわるがわる己らの頭領と酒を酌み交わす、主従のコミニュケ―ションツールとして酒が機能している、酒に話が乗っていく、絆が育まれる、五人が統領とタブタと結ぶ交誼、歓喜の情が沸いて渦巻く、熱い交歓光景である。
 それが終われば、建造の場の者らと親交の酒を酌み交わす。
 ガリダとタブタ、オキテスとドックスの四人が目線を交わす。
 『これからも互いの友諠は厚く変わることがない』と目線に込めてうなずき合う。
 一同は旨いパンを口にして夕食会を終える。
 オキテスは、足をよろつかせながら二人を宿舎へ案内した。

 ニューキドニアの朝が明ける。オキテスは朝行事を終える。ガリダらの姿が浜に見当たらない、宿舎に二人を迎えに向かう。
 『おう、ガリダ頭領、おはよう!』戸口から声をかける。
 『おう、おはよう』と返事が返ってくる、『いま、目覚めたところだ』
 『頭領、おはよう、今日もいい朝だ!タブタ、おはよう』
 『おう、オキテス、もう船の出る時間か?』
 『おう、そうだが。よく眠れたか?』
 『おう、ぐっすりだ。寝すぎたな。行こう!』
 三人は浜へと急ぐ。
 『ガリダ頭領、船はこっちだ』
 『そうか、そうか』
 オロンテスとギアスらがガリダら二人に朝の挨拶をする。ヘルメス艇の艇上に案内した。


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