アエネアスの軍団は、敵を押し包んでいる。敵は一塊になって、槍を突き出して身構えている。それを取り囲んでいるアエネアスの軍団の兵たちも、武器を構えて敵と対峙している。互いにわめき、怒号を飛ばしている。双方すくみの状態である。取り囲まれている敵は、もう怯えきっていた。
アエネアスは、この情景を見て戦慄した。400もいた敵の軍団が、いまは、80くらいに兵数が減っているではないか。その敵を包囲している自軍の兵も500余りに減っているのではないかと思われた。
時は過ぎていく、夜は昇る太陽に駆逐されて明るくなっていた。包囲の輪が小さくなったり大きくなったりしている。イリオネスは、敵の全滅のときを計っている。敵に一斉に討ちかかるタイミングである。自軍を出来るだけ傷つけたくない、損じたくない。
イリオネス、パリヌルス、アレテスの三人は、打ち合わせた。
『槍を投げ入れて、敵の命脈を絶つ!そして、押しつぶそう。いいな。』
瞬時に方策を決定して、全軍に指令した。隊長が兵に指示する。敵の怯えが極点に達した。
イリオネスの一投を合図に、おびただしい数の槍が一塊になっている、逃げ場のない敵にめがけて撃ち込まれた。
アエネアスは、この情景を見て戦慄した。400もいた敵の軍団が、いまは、80くらいに兵数が減っているではないか。その敵を包囲している自軍の兵も500余りに減っているのではないかと思われた。
時は過ぎていく、夜は昇る太陽に駆逐されて明るくなっていた。包囲の輪が小さくなったり大きくなったりしている。イリオネスは、敵の全滅のときを計っている。敵に一斉に討ちかかるタイミングである。自軍を出来るだけ傷つけたくない、損じたくない。
イリオネス、パリヌルス、アレテスの三人は、打ち合わせた。
『槍を投げ入れて、敵の命脈を絶つ!そして、押しつぶそう。いいな。』
瞬時に方策を決定して、全軍に指令した。隊長が兵に指示する。敵の怯えが極点に達した。
イリオネスの一投を合図に、おびただしい数の槍が一塊になっている、逃げ場のない敵にめがけて撃ち込まれた。