『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  220

2014-03-03 08:18:43 | 『次の一手』プレゼンテーション資料
 イリオネスの宿舎の前がガヤガヤしていた。オロンテスの部下たちである。パリヌルスはオロンテスを探したが彼の姿が見えない。彼は訊ねた。
 『君のところの頭領だが、、、、』
 『はい、まだ、ここへは来ていません。もう姿を見せるはずですが』
 『そうか、待つとするか』
 『あっ!隊長。オロンテス頭領ですが、じきにここへ来ます。何か伝えることがあるようでしたら言ってください。伝えます』
 『俺が待っていたと伝えてくれ』
 『判りました』セレストスが答えた。しばらくの間待った。オロンテスが姿を見せた。
 『おう、パリヌルス。何か用か、俺は忙中の真っただ中だ。まあ~、やるべきことをやっておかないと、前へ一歩踏み出せん。そういうことだ』
 『俺もそんなところだ。俺のところの連中はもう来るだろうと思っているのだが、まだ来ない。お前のところからやってくれ』
 『判った、そうする』
 会話を交わしているところへイリオネスが姿を見せた。
 『おう、二人ともご苦労!オロンテス、クリテスの事はどのような予定だ?』
 『クリテスの件ですが、もう4日ほど私の手許にと考えていますが。私の方は、準備の事もありますので、明日から仕事にかかります。この二人にセレストスが加わって集散所の業務を担当します。セレストス、各部署の担当を軍団長に紹介してくれ』
 『はいっ!』
 セレストスは4人を並べて一人づつ紹介した。
 『この者がパンの焼き上げ担当のヤキタス、粉なひき担当のコリシス、生地ねり担当のネリデス、最後が私ら全体の食の給配を担当をするショクダスです』
 『おう、しっかりと陣容を整えたようだな。よしっ、諸君!ご苦労。今度の仕事は我々が手掛ける新しい分野の仕事だ。積極進取の心で業務にあたってくれ。事の成功は君らの双肩にかかっている。奮励努力だ。頼むぞ!』
 彼らは仕事がかりの気鋭の声で軍団長に答えて場を引き上げた。
 『軍団長、以上です。今の私は忙中の中にいます。私もこれにて』と告げて場を去った。
 『パリヌルス、どうした?』
 『私の方の連中、少々遅れていますね。軍団長、そのまま待ってください。もうすぐ、ここへ来ると思います』
 『判った。お前、めしを済ませているのだろう。いいじゃないか、急ぐな、待とう』
 『軍団長、私、少々訊ねたいことがあるのですが。用件が終わったれかまいませんか』
 『おう、構わんとも、ゆっくり話をしよう』
 『そうしていただけますか、それはありがたい。宜しくお願いします』
 薄闇の中を見つめた。10人余りの人影が見えてきた。


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