『肩の凝るような話は避ける。奇想天外、笑える話をしようではないか』
『おう、それでいこう』
彼らの雑談は、小さな穴を穿ち、その穴から船舶の未来を覗き見るといった風な話である。壮大な夢ではなく、ささやかな構想に尾ひれつけて笑い合う。
山の尾根道を用心して歩く、足にからまる大石小石が歩みを阻む、細く長く荒れた崩れそうな獣みち、風雨にさらされた道、越すに難儀するきれっと、行く手をさえぎる大岩、のりこえるか迂回するかに迷う、前面にはだかる岸壁、オーバーハング、進もうか、戻ろうか、話が終わる。
『まあ~、ここらが話の終点か。昼を終えたらここに来る』と言って、パリヌルスが立ちあがる、場を去っていく。
『オキテス隊長、では、昼を終えたらこちらへ来ます』
『おう!』
二人はうなずき合う、ドックスが場をあとにする。
二人が去った場でオキテスは考える、時が流れる、考えている、それでいて何も考えていない自分に気づく、思考の道中で立ち止まっている。
身の回りを眺める、眺める空間が広がっていく、どことなく彼方を見つめる、道は見えていない、海へ視線を転じる、伸びている水平線、たなびく雲。
『何だ雲か!?』と思ったとたんに風景が変わる、風が吹き渡っていく草原、先へと続く一筋の道、森に突き当たって消えている、風景が変わる、大勢の人影が歓喜している。
オキテスは、背中に人の気配を感じる、我に返る、振り向く。
『オキテス隊長、客人が見えています。同行しています』
客人に目線を移すオキテスが驚く。
『ああ~っ!パキオテ頭領殿!ようこそ!』
『オキテス殿、久しぶりだ!達者だったか?』
二人はガシット肩を抱きあう、顔を見合わす、再び肩を抱き合う。二人はまじまじと見つめ合う、声がけを待つ風情、オキテスが声をかける。
『パキオテ頭領殿、遠いところにようこそ来られました。道中いかがでしたか?海路はどちらからですか?』
『おう、東からだ。テムノスのところで朝、目が覚めたら東から風が来ているではないか、お前を訪ねることを思い立ったてわけだ』
『そうでしたか、ようこそおいでいただきました。大歓迎です!ゆっくりしてください』
オキテスは、傍らにいる作業の者にアエネアスとイリオネスを呼びに行かせる。
空を見上げる、陽の位置を確かめる。
続けてもう一人、作業者を呼んで指示する。
『おう、あのな、急いでパン工房へ行ってくれ!セレストスにすぐ、ここへ来るように言ってくれ』
『解りました』
指示を携えて走る作業者。
オキテスは、パキオテ頭領と連れだって浜へと歩みだした。
『おう、それでいこう』
彼らの雑談は、小さな穴を穿ち、その穴から船舶の未来を覗き見るといった風な話である。壮大な夢ではなく、ささやかな構想に尾ひれつけて笑い合う。
山の尾根道を用心して歩く、足にからまる大石小石が歩みを阻む、細く長く荒れた崩れそうな獣みち、風雨にさらされた道、越すに難儀するきれっと、行く手をさえぎる大岩、のりこえるか迂回するかに迷う、前面にはだかる岸壁、オーバーハング、進もうか、戻ろうか、話が終わる。
『まあ~、ここらが話の終点か。昼を終えたらここに来る』と言って、パリヌルスが立ちあがる、場を去っていく。
『オキテス隊長、では、昼を終えたらこちらへ来ます』
『おう!』
二人はうなずき合う、ドックスが場をあとにする。
二人が去った場でオキテスは考える、時が流れる、考えている、それでいて何も考えていない自分に気づく、思考の道中で立ち止まっている。
身の回りを眺める、眺める空間が広がっていく、どことなく彼方を見つめる、道は見えていない、海へ視線を転じる、伸びている水平線、たなびく雲。
『何だ雲か!?』と思ったとたんに風景が変わる、風が吹き渡っていく草原、先へと続く一筋の道、森に突き当たって消えている、風景が変わる、大勢の人影が歓喜している。
オキテスは、背中に人の気配を感じる、我に返る、振り向く。
『オキテス隊長、客人が見えています。同行しています』
客人に目線を移すオキテスが驚く。
『ああ~っ!パキオテ頭領殿!ようこそ!』
『オキテス殿、久しぶりだ!達者だったか?』
二人はガシット肩を抱きあう、顔を見合わす、再び肩を抱き合う。二人はまじまじと見つめ合う、声がけを待つ風情、オキテスが声をかける。
『パキオテ頭領殿、遠いところにようこそ来られました。道中いかがでしたか?海路はどちらからですか?』
『おう、東からだ。テムノスのところで朝、目が覚めたら東から風が来ているではないか、お前を訪ねることを思い立ったてわけだ』
『そうでしたか、ようこそおいでいただきました。大歓迎です!ゆっくりしてください』
オキテスは、傍らにいる作業の者にアエネアスとイリオネスを呼びに行かせる。
空を見上げる、陽の位置を確かめる。
続けてもう一人、作業者を呼んで指示する。
『おう、あのな、急いでパン工房へ行ってくれ!セレストスにすぐ、ここへ来るように言ってくれ』
『解りました』
指示を携えて走る作業者。
オキテスは、パキオテ頭領と連れだって浜へと歩みだした。
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