『統領、夜のとばりも濃くなってきました。私たちもまいりましょう』
イリオネスは帰りを促した。
『イリオネス、今日は楽しかった。う~ん、収穫祭をやってこの上なくよかった。今日の余興のことだが、いやあ~、子供たちの取り組みは大変に素晴らしかった。子供たちが真剣に取り組む姿がまぶたに焼き付いている。俺の思い過ごしかわからんが、子供たちを見ていると明日が見えるのだ。実に楽しい。俺の偽らない気持ちだ。判ってくれるか』
アエネアス自身、何となくうまく言えたとうなづいた。
『統領、統領の気持ちがわかるような気がします』
彼らは身を包んでくる暗さの中を砦への道をたどった。
一行は、砦の建つ高台への坂道にたどり着いた。一行は昇っていく、中間地点で立ち止まった。先頭を行くアエネアスは、おもむろに浜の方向に身体を向けた。
暗さを通してはるかに見える海、浜に上げられている船影、いくつかゆらぎ燃えている焚き火、火影にゆれている人影、彼の胸は、締め付けられた。去来する郷愁に似たこの風景。この風景を再び、この浜で目にすることはないのではと思い眺めた。
イリオネスは帰りを促した。
『イリオネス、今日は楽しかった。う~ん、収穫祭をやってこの上なくよかった。今日の余興のことだが、いやあ~、子供たちの取り組みは大変に素晴らしかった。子供たちが真剣に取り組む姿がまぶたに焼き付いている。俺の思い過ごしかわからんが、子供たちを見ていると明日が見えるのだ。実に楽しい。俺の偽らない気持ちだ。判ってくれるか』
アエネアス自身、何となくうまく言えたとうなづいた。
『統領、統領の気持ちがわかるような気がします』
彼らは身を包んでくる暗さの中を砦への道をたどった。
一行は、砦の建つ高台への坂道にたどり着いた。一行は昇っていく、中間地点で立ち止まった。先頭を行くアエネアスは、おもむろに浜の方向に身体を向けた。
暗さを通してはるかに見える海、浜に上げられている船影、いくつかゆらぎ燃えている焚き火、火影にゆれている人影、彼の胸は、締め付けられた。去来する郷愁に似たこの風景。この風景を再び、この浜で目にすることはないのではと思い眺めた。