三月五日 トロイ攻略遠征の船団出航の日は明けた。期待した西北の風は吹いてはいない。各船団は、続々と出航していく。エボイア島の南端の岬までは、漕走で行かねばならない。本土とエボイア島の間の狭い海域は、各軍船が漕ぐ櫂で泡立てられた。
アガメムノン統領の座乗する軍船は、メネラオスの率いる船団であり、軍団中最多の軍船数を誇る船団であった。彼等は、寄せてくる海涛を力強く舳先で割って進んだ。
大船団は、トロイを目指しての壮途についたのである。
アガメムノン統領の座乗する軍船は、メネラオスの率いる船団であり、軍団中最多の軍船数を誇る船団であった。彼等は、寄せてくる海涛を力強く舳先で割って進んだ。
大船団は、トロイを目指しての壮途についたのである。