風の入らない船倉は、蒸し暑く、汗が滴り落ちた。
『ルドン、五人の紹介を頼む。』 五人の者たちは、名乗った。
『よし、判った。俺が、このと船の一隊を率いているオキテスだ。君たちは知っていると思うが、ここにいる三人は、ルドン、アミクス、タルトスだ。』
オキテスの目は、冷たく燃え鋭さが増した。
『君たちは、今、サモトラケに向かっていることは知っているな。一昨日、サロマの浜で干戈を交えた者たちは、サモトラケから来た海賊である。俺たちは、その海賊の残党を一掃するためにサモトラケに向かっている。奴らを一掃しない限り、また、サロマやエノスが襲われる。そういうことでは困るのだ。卑劣で残忍このうえない奴らを生かしておくわけにはいかんのだ。判るな。先ほど、ルドンとよく話し合った。奴らは、我々を皆殺しにして、船と積荷を奪う。そのようなことは許すわけにはいかん。我々は先手必殺で一人残さず奴らを倒す。後顧の憂いを断つ。いいな。それで考えられることは、この船が闘いの場になるということだ。押し寄せる海賊の数は、30人くらいだと、俺は思っている。この船には、俺を含めて54人が乗っている。これから、奴らとどのように闘うかということについて説明する。いいか。』
ここまで言ってオキテスは一息入れた。
オキテスの話を聞いている者たちの目の色が変わってきていた。
『ルドン、五人の紹介を頼む。』 五人の者たちは、名乗った。
『よし、判った。俺が、このと船の一隊を率いているオキテスだ。君たちは知っていると思うが、ここにいる三人は、ルドン、アミクス、タルトスだ。』
オキテスの目は、冷たく燃え鋭さが増した。
『君たちは、今、サモトラケに向かっていることは知っているな。一昨日、サロマの浜で干戈を交えた者たちは、サモトラケから来た海賊である。俺たちは、その海賊の残党を一掃するためにサモトラケに向かっている。奴らを一掃しない限り、また、サロマやエノスが襲われる。そういうことでは困るのだ。卑劣で残忍このうえない奴らを生かしておくわけにはいかんのだ。判るな。先ほど、ルドンとよく話し合った。奴らは、我々を皆殺しにして、船と積荷を奪う。そのようなことは許すわけにはいかん。我々は先手必殺で一人残さず奴らを倒す。後顧の憂いを断つ。いいな。それで考えられることは、この船が闘いの場になるということだ。押し寄せる海賊の数は、30人くらいだと、俺は思っている。この船には、俺を含めて54人が乗っている。これから、奴らとどのように闘うかということについて説明する。いいか。』
ここまで言ってオキテスは一息入れた。
オキテスの話を聞いている者たちの目の色が変わってきていた。