このあとイリオネスは、自然石を積み上げた墓の脇に立って、このエノスにおいてポリメストルに謀殺されたプリアモスの子息であるポリュドロスの葬儀を行う旨を参列してくれている皆に伝えた。イリオネスは、浜頭のトリタスが持参してくれた箱に納められたポリュドロスの遺骨を受け取り、墓に収めた上でアエネアスに引き継いだ。アエネアスは、墓前にひざまずき、ポリュドロスの冥福を祈った。彼は、ここでもひと握りの髪を切り献髪した。続いて、心ある者たちが献髪して冥福を祈った。葬儀は終わった。しかし、参列した者たちの胸中に惜別の悲しみが、どおおっと、こみあがった。ここにきて女たちは、再び号泣した。
イリオネス、アレテス他、二、三の者が参列者たちに大声で呼びかけた。
『今日、これから、エノスの浜において、奉納と感謝の競技大会をやるぞっ!』
これを聞いた皆から歓声が沸きあがった。人の波は動いた。
エノスの浜では、競技大会の準備がアエネアスの軍団の者たちが中心になって、浜衆、村人たち、総出で整えられていた。サロマの集落の者たちの顔も見えた。
イリオネス、アレテス他、二、三の者が参列者たちに大声で呼びかけた。
『今日、これから、エノスの浜において、奉納と感謝の競技大会をやるぞっ!』
これを聞いた皆から歓声が沸きあがった。人の波は動いた。
エノスの浜では、競技大会の準備がアエネアスの軍団の者たちが中心になって、浜衆、村人たち、総出で整えられていた。サロマの集落の者たちの顔も見えた。