『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第2章  トラキアへ  178

2010-03-29 07:33:06 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『おいっ、皆、そんなに固く身構えるな。肩の力を抜いて、気を入れて聞けばいいのだ。よしっ。始める。いいな。船中という狭いところで敵とやりあうのだ。一瞬のためらいが命取りになる。ためらっていては命が奪われて終わりだ。今の俺の思いでは、配置は、甲板に20人、船倉に30人と思っている。そして、伏兵作戦だ。船倉も、甲板も10人の兵を物陰に潜ませろ。掛け声一発で飛び出せるようにひそませるのだ。奴らは、我々を探りに来るか、探りに来た奴がこの船に居残って仲間を呼ぶのか、一度引き揚げて仲間を引き連れて一斉に襲ってくるか。今のところ俺には読めていない。我々はギリシア本土に向かうことにして、ここでは水の補給をしたいことを相手に伝えようと思っている。ルドン、そうなれば奴らは、どう出てくるか。お前の考えを聞かせてくれ。』
 『隊長、奴らは、交易を持ちかけてきます。奴らには、小麦が不足しています。探りに来た奴らは、居残って仲間を呼ぶ手で来ると思われます。奴らはガラクタを持って交易に来ます。我々は、ベルガモンから来たと思わせるのですから。』
 『ルドンの思いはそうか、とにかく、奴らの状況に合わせよう。闘い開始合図だが、俺か、ルドン、アミクスの誰かが、奴らの一人を倒したときだ。いいな。如何なる事態になろうが、対応できるように配置形態をとって敵に挑む。それと大切なことは、皆が生きて帰還することを心がけてほしいことだ。頼むぞ。以上だ。』
 『判りました。』 一同の応答はしっかりしていた。