オキテス以下の12人の者たちは、昼過ぎにはサロマの集落から帰途についた。海賊たちの使用していた船は、小型で構造も軽い仕様で出来ていた。片舷12座、衝角構造もあり、一枚の横帆の小型の軍船であった。一般的にギャレー船と呼ばれている船である。奪った間に合わせの船ではなかった。折からの海に吹き渡る西風を帆にはらんでエノスの浜に帰ってきた。
浜小屋の前には、パリヌルスがいる、ルドンもいる、タルトスもいた。オキテスたちは、浜小屋に迎え入れられた。パリヌルスは開口一番、
『オキテス、ご苦労であった。皆、無事か。お~お、アミクス、ご苦労、ご苦労。』
アエネアスも、帰ってきた者たちの苦労をねぎらった。
『オキテス、ルドンから話は聞いた。統領にも話は通した。それでだ、オキテス、どうするか、話をつめようではないか。』
『奴らの根城は、サモトラケのどこにあるかだが。』
『それについては、トリタスに聞いておいた。ほぼそこであることは間違いないと思うが。お前も知っているとは思うが、サモトラケは、山が大半の島だ。湾と思われるところは、島の北側の西の端の一箇所だけぐらいだ。とにかく、大型の船の岸付けは出来ない島だ。』
浜小屋の前には、パリヌルスがいる、ルドンもいる、タルトスもいた。オキテスたちは、浜小屋に迎え入れられた。パリヌルスは開口一番、
『オキテス、ご苦労であった。皆、無事か。お~お、アミクス、ご苦労、ご苦労。』
アエネアスも、帰ってきた者たちの苦労をねぎらった。
『オキテス、ルドンから話は聞いた。統領にも話は通した。それでだ、オキテス、どうするか、話をつめようではないか。』
『奴らの根城は、サモトラケのどこにあるかだが。』
『それについては、トリタスに聞いておいた。ほぼそこであることは間違いないと思うが。お前も知っているとは思うが、サモトラケは、山が大半の島だ。湾と思われるところは、島の北側の西の端の一箇所だけぐらいだ。とにかく、大型の船の岸付けは出来ない島だ。』