海賊の発生は、紀元前１２世紀頃と言われている。古代、エーゲ海の南部の多島の海域を行き来する船が増え、悪天候で操船適わず、座礁する船が多く出てくる。これらの船の積荷を奪う輩がでてきた。遭難した船には船主、荷主そのほか乗員が生きている。船の積荷を奪うには乗っている者たちの命を奪って積荷を掠奪して目的を果たす。
『う～ん、これで明日が食える。』
今から３２００年前、海賊原初の姿がここにあった。
このよう単純な『奪う』という行為が殺戮を伴って行われる。その場に同目的の掠奪者が現れる。当然、両者は、闘争行為に及ぶ。ここに海賊の発生を見たのである。やがて、海賊の集団が肥大して行く。彼らは、交易の発展で増加の一途たどる積荷の多い交易船を襲い、その積荷を掠奪していったのである。社会的に奴隷制度があり、積荷が奴隷であることもあり、これらをも奪って海賊集団の利益としていった。
海賊業が成立したのである。都市国家の領主が領国経営の事業として、交易と言う名目で海賊業を営んだ節もあったのである。