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『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第2章  トラキアへ  159

2010-03-02 06:55:59 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『パリヌルス、とにかく調べようではないか。ところで、いただいた海賊船なかなかの船だ。走りやすい、スピードも出しやすい、いや~、快適であった。それで、海賊の出身地だが、風体から考えると、小アジア、黒海沿岸、カルケドン辺りの者どものような気がする。サモトラケは農地のないところか。』
 『とにかく、農地らしきもののないところらしい。』
 『どうりで、サレト浜頭のいいようでは、食糧、穀物、小麦あたりを狙ってくるようだ。』
 『サモトラケは、交易の交換物もないところらしい。小麦を得るには海賊しか手段がない。そのように考えられる。』
 『俺たちにも、いま、小麦が不足している。小麦の交易を装って、海賊と接触する。その上で一挙に片をつける。奴らをやつけても戦利品はない。しかし、海賊の脅威を除かねばならない。な~、そうだろう、パリヌルス。作戦立案を頼む。俺はお前の作戦で事を実行する。宜しく頼む。』
 『了解した、よく考える。』
 『出来るだけ早く片をつけたほうがいいように思う。決まれば、明日早朝にも出航する。俺は奴らを許せないのだ。』
 オキテスの海賊に対する嫌悪は並みではないと感じられた。
 『エーゲ海の北部は、南部のような多島の海域ではないからな。海賊も実入りが少なかろう。だが、北部の海域にも船の行き来はある。海賊の拠点としてのサモトラケは捨てたところでないと思う。』
 オキテスは、身体を休めるために午睡をとるべく仲間たちの所へ帰った。