日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

「彼岸花」再録

2024年10月01日 | 日記
猛暑が続いたせいか、彼岸花が、お彼岸をすぎてやっと、あちこちに咲いています。「彼岸花」を詠んだ歌を再録します。自賛歌の一つです。

 秋のお彼岸に入って、森のあちこちに、あまり日当たりのよくないあたりに、ほんとうにその名前どおりの彼岸花が、たった一輪で、またあるところでは数本あるいは夥しく群れて、咲き揃っています。弱った視力には、細い茎は周囲の緑にまぎれて、赤い花房だけが宙に浮かんで見え、今はここにいない人々の、上に向って合掌した手のように、亡くなった人々の、美しく飾られたみ印のように、しめやかに華やいでいます(『古語短歌』109頁、『くりぷとむねじあ和歌集』65頁、112頁)。

このときに 咲くやこの花
赤き房(ふさ)の
いまさぬ人の み印(しるし)のごとく

(秋の彼岸に咲く花の、赤い花房が、今はここにいない人々の、上に向って合掌した手のように、亡くなった人々の、美しく飾られたみ印のように、宙に浮かんで、しめやかに華やいでいます)

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