日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

「ほの赤き雲」1首

2024年08月20日 | 日記
夕闇のなか、公園を歩いてきました。地上は真っ暗で、電灯のもれる窓以外は、家並みも闇に沈んでいますが、見上げる空はまだ青く、はるかに沈んだ日の光をかすかに受けているのか、ほの赤い雲が、広がっています。

夕やみに 沈む家並み
いまだ青き 空に広がる
ほの赤き雲

(夕やみのなか、家並みも闇に沈んで、しかし空はまだ青く、ほの赤い雲が広がっています)

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「行きすぎてなほ」1首

2024年08月05日 | 日記
 同じ時間帯、同じ道を、鳥や虫に気兼ねなく、先を急いで通りました。ひぐらしの声は、近づいても止まず、通り過ぎても、ほかのひぐらしも、鳴きつづけています。

暮れてゆく 森の辺の道
近づきて 行きすぎてなほ
ひぐらしの声

(日暮れ時、森の辺の道を歩いていくと、点々とひぐらしが鳴き、近くを通っても鳴きやまず、通りすぎても鳴きつづけています)

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「近づけば止む」1首

2024年08月03日 | 日記
 暑さを避けて、このごろは夕方に散歩にいくようになりました。蝉しぐれに包まれる嬉しさは格別で、点描のように蜩の声がします。邪魔をしないよう、静かに歩いていっても、近づくにつれ、鳴き止むことがあります。

暮れてゆく 森の辺の道
偲びつつ 近づけば止む
ひぐらしの声

(日暮れ時、森の辺の道を歩きながら、ここにいない人を思いつつ、静かに歩いていくと、一筋聞こえていたひぐらしの声が、近づくにつれて弱くなり、鳴き止みました)

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「夢の境に」1首

2024年08月02日 | 日記
 先月以来、本数の少ないバスで通院しており、いつもと違った道行で、あれこれの記憶がよみがえります。断片的な思い出を辿って、いつの間にか、夢見のような情景に浸っていたのに、気づきました。

思ひ出に 触れてや辿る
道行きの 夢の境に 浸りてありし

(記憶の断片に触れて、細々とした道行を辿り、気がつくと、夢見の情景に浸っていました)

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「蝉鳴きそむる」1首

2024年07月08日 | 日記
 関東は連日の猛暑日となり、日中は暑すぎて、ここ数日は、日暮れ前になって散歩にでかけるようになりました。昨日の散歩のおり、鳥も暑さが和らいだせいか、にぎやかに鳴きかわしていますが、そのなかに、蝉時雨の持続音がしているのに、気づきました。前日までは気づかなかったので、昨日やっと鳴き始めたのでしょうか。

日の暮るる 間際に満つる 鳥の声
けふ俄かにや 蝉鳴きそむる

(日暮れまぎわ、騒がしいほどの鳥の鳴き声に交じって、今日から鳴き始めたのでしょうか、昨日までは気づかなかった蝉しぐれが聞こえています)

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