自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

リーダー性に見た慮り度(続)

2020-04-23 | 随想

こういうことを書く機会は,これからまずないと思います。それで,記憶にとどめておくためにもきちんと書き記しておこうと思います。

 

その2。生死の境から回復した英首相ジョンソンさんの慮り。

新型コロナウイルスに感染して入院。一時はICUで治療。報道によると,退院後すぐツィッターで発信したのが,献身的に働く医療関係者たちへのこころからの感謝の念でした。

内容を要約してしまったら,緊迫感がまるで失われます。抜粋で原文のまま転載します。

  • 7日間、私はNHSのスタッフがプレッシャーにさらされているのを見てきました。医師や看護師だけではなく、全ての人たちです
  • 清掃担当者や調理師、そして、理学療法士、放射線技師、薬剤師などのあらゆる種類の医療従事者たち。彼らは職場に通い続けながら、自分自身を危険な状態、恐ろしいウイルスのリスクにさらしています
  • 首相は、そういった状況で自身の治療や看護に当たった医療者たちの名前を一人一人呼んで感謝を示し、中でも2日にわたってつきっきりの看護をした二人の看護師に、命を救われたと語った。
  • 私が死ぬか生きるかという時に、ベッドの横に48時間付き添ってくれた、二人の看護師がいました。ニュージーランド南島のインバーカーギル出身のジェニー、そしてポルトガルのポルト近く出身のルイスです
  • 私が再び呼吸できるようになったのは、彼らが一晩中私を見守って、私のことを考え、看護し、必要な治療をしてくれたおかげです

事実にもとづき具体によって考え,方向を見定めながら事に当たる政治家のあり方が垣間見えます。個人的な情報発信でも質が高ければ,人のまことが感じられれば共感が広がります。

 

その3。給与一カ月分を減額すると表明した,ある県の知事の慮り。

県民に「不要不急の外出自粛」を求めた代わりとして,自らも痛みを共にするべきと考えた結果とのこと。記者会見での発言を新聞記事から引用しておきます。

  • (給与カットは)公務員はどうなんだ、という声には広げないでほしい
  • 国会議員は別だ。国会は立法府であり、実際に(緊急事態宣言で外出などを)制限をするルールをつくっている

よく似たことはいろんな方がいろんな場で発言しています。知事の表明はリーダーとして率先垂範する姿かと思われます。国政に携わる人たちは血税から経費を"いただいている"のですから,謙虚に慮れば,自らの処し方が見えてきそうな気がするのですが,どうも。

身を切る行動力を期待したいものの,今のところ程遠いですね。

その4。地方分権に見たリーダー性。

今いちばんご苦労なのが知事でしょう。的確な対応が刻一刻求められています。現場を知り尽くしておかねば陣頭指揮など取れるわけはありません。地方にあって,人のいのちを守り,おらが地方を混乱に陥らせないためにあらゆる手段を尽くして人々に理解・協力を求めなくてはなりません。

ある知事のある日の会見を見ていると,不眠不休かと思われる表情でした。「たいへんだなあ」と,多くの人が感じたのではないでしょうか。切迫感とスピード感のない多くの国会議員では到底太刀打ちできっこありません。リーダーはいつでも,どこでも自覚と行動と責任が求められます。

身をもって事に当たるとき,リーダーのこころの内に人はまことを見出すでしょう。それが信頼を醸成します。

(付記)写真は本文と関係ありません

 


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