暗いところに置いていたジャガイモが3つ,おもしろい現象を見せています。イモはそれぞれ小さく,すでに養分・水分が茎に移動してしわしわです。暗所にあったのに,葉が緑というのはふしぎです。
そのうちの1つ。茎がたくさん出ています。茎の一本を見ると,一部がわずかに膨らんで,栄養分が貯蔵され始めています。赤みがかっているので,よくわかります。光合成が始まっているわけではないのに,すでに養分が貯蔵されているのです。もちろん,イモから移動してきたものにちがいありません。
さらに,さらに。腋芽がたくさんストロン状に伸び,その先に緑葉が付いているのです。
そのうちの2つ。茎が伸びて(茎長15cm~20cm),腋芽が地中ストロンに似通ったかたちをして出かかっています。先の曲がり具合など,そっくり。これを純粋にストロンと呼んでよいのかどうかわかりませんが,ともかくこのすがたを見ると,先にイモを貯えようとする意思表示のように思えてきます。
せっかくなので,これらを使って実験観察をしてみようと思います。内容は次のとおりです。
- イモを,根が出るところまで土に埋め(根で水分と栄養分を吸収できるようにしておく),茎に支えをする。
- 暗箱(段ボール箱の内側に墨を塗り黒くしておく)に入れ,茎の先端が穴から伸びられるようにしておく。
こうすると,たぶん,暗箱中の茎は地中と同じ環境下に置かれるため,ストロンが成長するだろうと思うのです。さらに,ストロンがまだ出ていない腋芽部分からもストロンが出始めて,それぞれの先端部分にイモができ肥大し始めるのではないでしょうか。
茎の先が成長する以上,葉が育って,光合成を行います。光合成でつくられた養分は必ず貯蔵されていきます。それはどこか,となると,もう地上ストロンしかあり得ないわけです。
以上がわたしの想像であり,仮説です。もしできたら,それらを“地上イモ”あるいは“空中イモ”と呼んでもよさそうです。