“ほっかいどう” という響きは,スケールの大きな自然といつも合わさってイメージされます。たとえば,道路が2kmや3km真っ直ぐに続いているからといって,それを直線道路だなんて意識する人はいないという話を聞くと,さすがだなあと驚き入ります。
そんなスケールで風景を眺めると,やっぱりとてつもなく広くて,緩やかな丘陵地が続いているのです。それで,ついつい興奮します。農場にしても,多い人で30haも耕作しているとか。ふつうで20haだなんて話になると,想像を絶します。実際,畑で仕事をしている人を見かけたのはごく稀でした。
ラベンダー農場から十勝連峰を眺めると,峰には残雪がたっぷり。十勝岳の火口から噴煙が上がり続けます。それがはっきり遠望できるのです。
ラベンダーの植えられた畑。株がつくる曲線が軟らかくって,丘陵に花を添えている感じがします。
目を移すと,北海道の屋根大雪山がくっきり。40年余り前に,旭岳から黒岳までのコースを縦走した思い出がよみがえります。その距離は相当なものでした。「よくもマア歩いたことよ。あの頃はずいぶん若かったなあ」。そんな感慨が湧き上がってきました。
丘陵は今は畑。その昔は原野。開拓で流れた汗を思わずにはおれません。
シラカバの並木がこんなに美しく見えます。まるで,“ロマンチック街道” !
こんなところで,一日ぼーっとしていられたら,写真を撮っていられたら,どんなにハッピーな気持ちになれることでしょう。やっぱり,人間には自然にどっぷり浸かってリフレシュするってこと,とてもたいせつですね。