カブラハバチの幼虫は野菜栽培の大きな害虫です。真っ黒なからだで葉をバリバリ食べて,おまけに集団で発生するので,退治に苦労しました。手で取ろうとすると,ポロッと落下。落下こそがこの虫の保身術なのです。
自然に湧くが如く発生するので,ふしぎな虫だと長年思い続けて来ました。いつか,その卵を見たいものだと強く思っていました。それが偶然解決したのです。それも氷が解けるように。
事の次第はこうです。芽生えて何日も経たないハクサイのポット苗にカブラハバチがとまっているのを発見。近づくと気づかれたのか,逃げられました。幸いなことに,しばらくしてまた飛来。今度こそ感づかれないようにと,慎重に観察を続けました。
そのうちに,産卵孔を葉裏に触れる行動に入りました。
卵を産み付けたようで,腹端を上げたとき,そこに透明な殻が付いていました。いったいそれは何なのでしょう。
ハバチは別の葉に移って産卵を続けました。
また別の葉に移りました。わたしは緊張感を持って,レンズで追いました。
ハバチが去ったあと,産卵の形跡を確めました。卵自体は見つかりません。その部分は葉がほんのわずか盛り上がっていただけ。それで,ネット検索で調べました。結果,わかったのはカブラハバチは葉の組織内に卵を産み付けるという点です。そこで孵った幼虫が葉を食べて出て来るらしいのです。
とにかく,新しい知見を得ました。視野が広がった思いがしています。