前回に続いて幼虫の天敵について書きます。
7月30日,つまり今日の早朝の話です。たまたまアゲハの庭園に行って,ウマノスズクサの実の成長を確かめているときのこと。幼虫がなにかの外敵に襲われ,無惨な姿に成り果てているのが目に飛び込んできました。
よく見ると,胴体のほとんどがなくなって,一皮でウマノスズクサに引っ掛かっている状態でした。表皮の乾き具合からは,個体が被害に遭ってから日が経っているように見えました。
わたしがこれまで,ジャコウアゲハが天敵に襲われて食されている現場や,確実に食されていると思われる場面に出くわした回数はごくわずか。なかでもクモの巣に成虫,幼虫が絡めとられている例,カマキリが幼虫を食べるのを一部始終目撃した例が印象に残っています。
今朝の例は外敵こそ不明なのですが,これほどに痛めつけられて,途中で放置された例は少ないはず。いったい何者の仕業なのでしょうか。こうした食べ方はクモとも思われません。カマキリなのでしょうか。たぶん,大きめの外敵だと思われます。
そうだとすれば,体内に蓄積されたアリストロキア酸の影響を被ることはなかったのでしょうか。稀な被害例を見て,ほんとうに驚きました。