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自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ジャコウアゲハ観察記(その319)

2014-07-06 | ジャコウアゲハ

7月4日(金)。大多数の個体が第3代の卵,あるいは幼虫に進んでいるなか(なかには終齢幼虫に達した個体も!),我が家のアゲ葉の庭園でたった一個体,それも第2代の蛹が羽化しそうになっていました。いってみれば,“末っ子”みたいなもの。

この日は雨が相当に降ったため,蛹の表面が濡れて不透明感が増し,羽化の予測が付きませんでした。それで,せっかくのなので羽化場面を撮れたらという思いでカメラを固定し,様子を見ておくことにしました。撮れたらいうことなし,撮れなかったらマアいいか,という程度の気持ちでした。

雨が一時止んているときのこと。からだが乾いたようで,ふと見ると殻から成虫が誕生した直後でした。翅の様子でよくわかります。大急ぎでシャターを切りました。

 
例によって,口吻を曲げ伸ばししていました。さらに幸いしたのは,ふつうなら羽化後少し歩いて移動し,安定した場所を確保するのですが,今回は切れた枝先にいた点です。結果,蛹のすぐ脇から移動しようにもできなかったため,殻と個体の双方を視野に入れて撮ることができたのです。


脚場が落ち着かないのか,隣りの枝に移りました。しかし,そこはもっと短く,もっと細くなっていました。成虫には窮屈な感じがしないわけでもありませんが,なんとか,そこで翅を伸ばしていきました。 


このお蔭で,前脚の先が一瞬見える機会に恵まれました。褐色になっているのがブラシ状の突起で,個体はこの部分でウマノスズクサを確認するのです。もちろん,メスにしか備わっていませんから,個体がたまたまメスであったことも幸いしました。 

 
トリミングしてみましょう。先端部に近いほどたくさんの突起が集まっているのが,よくわかります。

 
我が家で羽化した最終の成虫は,こうして大きなプレゼントを残して,梅雨空に舞い上がっていきました。