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自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ホソヒラタアブの卵

2018-03-24 | ヒラタアブ

 春になって畑の草がどんどん生え,伸びていきます。放っておくわけにゆかず,暇を見つけては除草に励みます。

その褒美にか,引いている草のところにホソヒラタアブが飛来。そうしてホシノヒトミの葉に産卵していきました。「これはいいぞ!」とうれしくなって確認。すると,真っ白な卵が一粒ぽつん。

その茎を切って,水に差しておいてから六日目。下写真がそれです。もう孵化しているのかと思ったら,まだでした(ほっ!)。このところの寒さが影響しているのでしょう。

 

びっくりしたのはこの茎の下の方にアブラムシがいたこと。成虫はちゃんとそのことを知って産卵したのです。

 

 

超近接撮影をしました。長さは1mmに達していません。なんとなく上部が黒っぽく見える感じ。卵が萎んでいないので,いずれ誕生するのは確かです。

 

葉の表面に生えた突起の間に産み付けられています。 

 

生まれ出る瞬間を撮影できたら,ハッピーなのですが。引き続き変化を追えるところまで追ってみます。 

 


ホソヒラタアブ,幼虫の誕生(続々)

2018-03-23 | ヒラタアブ

誕生後一日が経過。ほとんど動かなかった二匹の幼虫がやっと動きかけました。

後で生まれた幼虫が隣りの葉に移って来ました。

 

右下の幼虫がそれです。左上の個体は先に生まれたもの。 

 

ときには頭をもたげ,伸縮を繰り返しながら歩いて行きます。

 

二匹の幼虫が会う場面がありました。 

 

頭を触れて,互いを確認するしぐさをしました。識別しているのでしょうか。

 

この後,別れて行きました。

 

同じ日の同じ時間帯に,ホシノヒトミに産付された卵はどうなっているでしょう。惜しいことに発生が停止してしまったようです。萎んでいます。 

 

観察者としては,今回これだけの情報が得られたことに満点を付けたいですね。 ハッピーな気持ちです。

 


ホソヒラタアブ,幼虫の誕生(続)

2018-03-22 | ヒラタアブ

時間をおいてから,孵化したヒラタアブの幼虫の様子を観察したとき,もうびっくり! そこに新たに卵があって,しかもどうやら孵化直前の兆候があったからです。たぶん,同じ成虫が同じときに産み付けたものでしょう。一足先に生まれた幼虫がたまたま通りかかったと思われます。

そこで幼虫がとまっていたのが幸い。卵の先に黒っぽいものが薄っすら見えます。それが頭部です。

 

幼虫の動きはじつにゆっくり。誕生を待っているかのようです。ややあって頭部の殻が割れ,頭が覗きかけました。 

 

かなり時間が経過。からだが出て来ました。先に生まれた幼虫(おにいさん? おねえさん?)はまだそこに。 

 

このときの姿をなんとか写したくて,葉の反り返りを伸ばし気味にして撮りました。 

 

出るまでにずいぶん時間がかかりました。

 

出終わりました。からだは見るからに初々しい感じ。 

 

おやおや,葉に尾端が付いてぶら下がった状態になりました。でもこれはカメラの向きの加減で,そう見えるだけなのですが。

 

このときの様子を超近接撮影しました。体長0.5~0.6mmといったところ。

 

ヒラタアブの幼虫の誕生では,これだけじっくり観察・撮影した経験はありません。それだけに,印象深い時間を過ごすことができました。感謝。 

 


ホソヒラタアブ,幼虫の誕生

2018-03-21 | ヒラタアブ

産卵行動を目撃し,産付卵を確認してから五日目。

朝,ホトケノザに付いた卵を見ると,なんと誕生し終えている瞬間でした。まったくの偶然! こういう観察チャンスはめったにありません。それでしっかり記録することに。

とにかく一枚撮っておかなくてはと,大慌てで記録した写真です。ぼけているのは臨場感としてご勘弁を。

 

ゆっくりからだを曲げて出て来ました。純白の瑞々しいからだです。卵の長さは1mm程度ですから,ピントを合わせるのがたいへん。

 

からだを真っ直ぐにして前に向かいました。 

 

立体感を出したくて,斜めから撮りました。反り返った葉先の向こうに,かろうじて写し込むことができました。

 

すっかり出終わりました。

 

 

幸運にもたまたま観察できた事例となりました。ビッグチャンスといってもよいでしょう。さらにうれしいことに,二例目も記録できたのです。これは次回記事にします。 

 


ホソヒラタアブの産卵行動

2018-03-19 | ヒラタアブ

ホシノヒトミ(オオイヌノフグリ),ハコベ,ホトケノザなどが入り混じった草むらで目撃した話題です。

ホソヒラタアブが数匹,ホシノヒトミで花粉を舐めていました。

 

 

警戒心が強いので,ほんとうにそっと近づかなくてはなりません。すこしでも気配を感じると,敏感に察知して逃げて行きます。

 

 

草の間や上をしきりに低空飛翔する個体がいました。「ははーん,これは産卵行動だな」と思い,目で追っているとそのとおり産卵を始めました。腹部を大きく曲げ,腹端をホシノヒトミの蕾にくっ付けたのです。

 

 

去った後見ると,純白の卵が一つ。長さ1mm弱。

 

 

個体は続いてホトケノザの葉裏にも卵を産み付けました。 

 

 

産卵場所は,幼虫の餌になるアブラムシがいるところです。産み付けたところにアブラムシがいるのかどうかはっきりはしません。個体が適当に産卵するとも思われません。よく探すとアブラムシが見つかるかも,です。

昆虫の行動から,その意味を紐解いてゆく作業はきっとおもしろいだろうなと想像します。今回,行動の観察から大きな成果が生まれました。「ほっ,ほーっ!」の気持ちです。 

 


ホソヒラタアブの卵(続々)

2018-03-18 | ヒラタアブ

九日目。朝起きて,まずは卵を確認。まだ孵化していません。ルーペでよく見ていると,頭の黒いところがわずかに動きました。「これは今日中に孵化するな」と感じました。そうしてしばらく見ていると,なんと卵の先,つまり頭部がもこもこっと出て来た感じがしたのです。

「あっ! 誕生するんだー!」。もうびっくり。すると頭が出始めたのです。息を呑み込むとはこんなときの形容語なのかもしれません。どきどきしながら,カメラを構えて撮影を続けました。とにかくどんどん撮りました。

 

 

ほぼ出終わりました。透き通ったからだの先端に見える頭部。黒い器官の先端が口。

 

ときどき頭を上げるしぐさをしました。

 

Uターンして殻から去って行きます。それにしても見事なまでの透明感。

 

頭をぐうーっと上げました。

 

そこにもしアブラムシがいたら,もちろん口にします。生まれたばかりなのに! これが過去観察をとおして確認してきた事実です。見つける本能はじつに大したものです。

これらの写真はわたしの宝となるでしょう。

 

 


キアシマメヒラタアブの幼虫

2017-08-11 | ヒラタアブ

レモンの木に,アブラムシがたくさん付いています。アゲハの卵も,今夏はどっさりあります。いろいろ観察を続けていると,ホソヒラタアブの幼虫が目にとまりました。加えて,キアシマメヒラタアブの幼虫も! こちらはめったにお目にかかれません。 

 

そのうちに,アブラムシを捕獲しました。くわえたまま,ぐうっと上げました。持ち上げたのではありません。くわえ上げたのです。

 

口元が透き通っていて,その動きがよくわかりました。

 

それが終わると,次の獲物を探しに移動しました。すぐに次のアブラムシを捕まえました。 

 

しばらくしてから見ると,また移動していて,別のアブラムシを口にしていました。

 

接写撮影をしました。

 

もっと近寄りました。口の中の動きが脈打つように見えて来ました。消化器官の入口の出来事です。「ほっ,ほーっ!」。 

 

ヒラタアブの幼虫は,レモンの木に害を与えるアブラムシを退治してくれていることになります。いつも感心して見ているのですが,アブラムシの居所をきっちり察知して成虫が産卵するのでふしぎなほどです。飛び回っている様子は,その場所を突きとめるかのような動きなのです。

 


ヒメヒラタアブの孵化!

2017-05-26 | ヒラタアブ

ミヤコグサの葉裏に産み付けられたとても小さな卵を発見しました。たぶんヒメヒラタアブのそれでしょう。持ち帰っておいていたところ,孵化している場面を目撃しました。ヒラタアブの孵化を目の当たりにできるのは稀です。じっと待っていてもなかなか見られるのもではありません。それが偶然に見られたのは幸運です。

卵は3個並んでいました。同じ成虫が同時に産み付けたようで,3個が同時に孵化していました。3きょうだいです。

 

重なっているように見えるので判別しにくいのですが,よくよく見ると3匹います。

 

目の位置を変えて見てみました。

 

確かに頭が3つ揃っています。



陽光を当てて撮りました。全体像が手に取るようにわかります。



幼虫はじつにゆっくり出て来ました。動きがはっきりとは確認できないほどの遅さなのです。体長が1mm。ただでさえ見づらい大きさです。ゆっくり出て来なければ,こんなふうに写真を撮ることは不可能でしょう。

チャンスというのは,いつ,どんなかたちで訪れるかわからないものです。 

 


シママメヒラタアブとアブラムシと

2016-09-17 | ヒラタアブ

庭にあるキクの株が育ち,先近くにアブラムシがいっぱい。どの茎先にも黒いアブラムシが付いています。生きものたちの生態が適当に観察できるだろうと放っておいたら,やっぱりそのとおり。

ハナグモがアブラムシを捕らえていました。クモにしてみたら簡単に捕獲できる獲物で,いくらでも口にできます。 

 

 
アブラムシの存在を敏くとらえ,飛来したのがシママメヒラタアブ。体長5mm。茎先を探すようにして飛翔していると思ったら,案の定,産卵行動だったというわけです。

 

 
降り立って,葉裏に卵を産み付けました。アブラムシの近くにちゃんと産むという習性はさすが。

 


産み終わると,葉先に移動しました。 

 
そんな行動を繰り返したものですから,いくつか確認してみました。すると,長さが1mm程度の卵がありました。そこはアブラムシの脇。

 

 
トリミングしてみると,表面模様もわかります。

 

 
葉の表側にもありました。

 

 
ヒラタアブの幼虫が1匹いました。成虫の名は,これでは特定できません。シママメヒラタアブかもしれないし,そうでないかもしれない,といったところです。

 

 
アブラムシはやはり適当に放っておくのが,わたしのように呑気な観察者にはぴったりのようです。 

 


ヒラタアブの囲蛹(続々)

2016-07-12 | ヒラタアブ

発見後3日目の早朝。とうとう大変化が起こりました。

午前5時33分。いかにも,羽化しそうな感じが漂っています。


とりあえず,からだの向きを変えて撮影。脚らしいものが見えます。 


きっちり収まっているなあという感じ。 


腹部の黒い線紋様が見えます。 


午前5時41分撮影。 

 
午前6時53分撮影。出終わって,カプセルが残されていました。蓋がぽっかり開いています。

 
出たばかりの成虫がコップの中にいました。歩いて縁に行きました。翅がすでに拡がっています。腹部の中が透き通っています。


無事に誕生! どうやらキタヒメヒラタアブのようです。 

 
誕生の瞬間は観察できませんでしたが,一刻も目を放さずにチャンスを待つというのはじつに忍耐のいる話です。今回は,ミヤコグサにあった囲蛹の正体がわかってよかったなあと感じています。

ただ気がかりなのは,6月14日付け記事で取り上げた囲蛹の変化と一致しないことです。